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【姫路】播州秋祭りに携わる職人にインタビュー 彫刻師編【有限会社 木下彫刻工芸】

【姫路】播州秋祭りに携わる職人にインタビュー 彫刻師編【有限会社 木下彫刻工芸】
目次

    姫路の秋の風物詩「播州秋祭り」。その裏側を支える職人さんたちを深掘りするインタビュー特集です。

    第3弾は、屋台に彫刻を施す「有限会社 木下彫刻工芸」の彫刻師さんへお話を伺いました。

    有限会社 木下彫刻工芸のだんじり彫刻の特徴やこだわりとは?
    なぜ彫刻師という仕事を選んだのでしょうか?
    仕事をする上での苦労や、やりがいなど屋台製作の秘話まで。

    そこには、祭りにかける熱い思いが詰まっていました。

    彫刻師 木下さんにインタビュー

    初めに、親方である「彫刻師」の木下健司さんにお話を伺いました。

    親方木下健司さんの写真

    Q. さっそくですが、まずは御社について教えてください

    <木下健司さん>
    「木下彫刻工芸」は、祖父の木下舜次郎が、飾磨の彫刻師「三代目 黒田正勝」に弟子入りし、技を継いで大阪の岸和田へと移ったのが始まりです。

    40年ぐらいの時を経て、たまたま播州で仕事をするきっかけがあったとき、黒田一門の彫刻の流れが途絶えている事を知って寂しさを覚えました。

    「ルーツである姫路に、黒田の流れを汲む彫刻を復活させたい」。そして岸和田から播州の祭りにも携われたら、という思いを持って、姫路工房を立ち上げました。

    次に、今回の彫刻に関わった彫刻師の代表として、堀健二さんにもお話を伺いました。

    彫刻師代表堀健二さんの写真

    Q. 御社で作られる彫刻の特徴・こだわりを教えてください

    <木下健司さん>
    1つ1つを立体的に彫る事で、奥行き感と躍動感を出し、豪華に見えるように彫っています。
    黒田の彫りをベースにしながら僕らのアイディアと施主様からのご要望を取り入れ、新しいものを生み出していく事を心掛けています。

    <堀健二さん>
    厚みのある材料、それに対する彫りの深さが「木下の彫り」と呼ばれています。勢いと迫力がありつつも繊細な感じが出るように、細かいところを仕上げています。

    Q. なぜこの仕事を選ばれたのですか?木下さんはご実家だったのも大きいと思いますが。

    <木下健司さん>
    祭りは好きでしたが、家業といえども元々そこまで興味はありませんでした。きっかけは、母親から「やってみたらどう?」とすすめられたことでした。

    3年の下積みを経て、基礎ができると応用ができる、そして壁にぶちあたり悩む。ちょっとずつ成長していくと楽しい、そうなると段々と面白くなっていく。

    いま続いているのは、先代の親方である父親が僕をうまく導いてくれたおかげかもしれません。

    <堀健二さん>
    子どものころから祭りに携わる仕事をしたいと思っていました。父親の友人が親方と縁があり、そのつながりで木下彫刻工芸へと入りました。

    Q. この仕事の大変なこと、難しさを教えてください

    <木下健司さん>
    常に毎回イチかバチかの本番。注目度も高く好みも十人十色で、さまざまな思いを持つ方がいらっしゃいます。

    施主様や1人でも多くの人に喜んでいただけるように、ヒアリングして探りながら感じとる。そして望むものに応えられるように、形にしていくのが本当に大変です。

    <堀健二さん>
    多くの人に喜ばれるよう期待に応えつつ、自分のこだわりを表現していくのが難しいですね。

    今にも動き出しそうな躍動感や迫力をどう彫って出していくのか? 決まったものではないので、さまざまなものを見て、研究して研鑽する。一生勉強だと思います。

    彫刻の写真

    Q. では、やりがいや喜びを感じるのはどんなときでしょうか?

    <木下健司さん>
    実は、胸を張れるものを作ってだしても、完成した時点ではまだ不安です。やりがいや喜びは、納品した後にその地域の方々と付き合いをしていく中で感じます。

    そこで笑って話ができるとき。「あんな事あったな......」と思い出話ができているときに、やって良かったな、と実感します。

    自分たちのつくったもので、地域が団結してくれるのがうれしい。屋台を通して人と出会い、つながっていくのが楽しいと感じます。

    <堀健二さん>
    お客様が喜んでくれるときが一番です。涙しながら挨拶してくださる方もいます。
    見てくれた周りの人から「ええなぁ」と声をかけてもらうと、やって良かったなと実感します。

    彫刻が飾られた神輿が動き、良い祭りをしていただいているところを見るのも、うれしいし達成感がありますね。

    彫刻に使用する道具の写真

    Q. 彫刻師にとって祭りとは何でしょう?

    <木下健司さん>
    「人と人とを繋ぐきっかけ」ですね。

    祭りは、たとえば仲の悪い人や苦手な人とも、目指すゴールが一緒なんですよ。1つの目標を目指して、一致団結して息を合わせる。たくさんの人とも出会えるし、学べます。

    神様が一番近くに来るときに、「僕らは頑張ってますよ、仲良く楽しんでますよ」と報告するんです。

    僕らは、人と人とのつながりを強くする道具を作っています。祭りが無ければ、僕らはここにいないわけですから。

    地域の皆さんが胸を張って担げるものを作って、評価していただけるようにもがいて腕を磨いていく。それが僕ら職人の使命じゃないかなと思います。

    <堀健二さん>
    地域のつながり、伝統を引き継ぎそれに応えるものです。

    代々と祭りが継がれているから僕らの仕事があるし、祭りが盛んなほどこだわりが大きい。だから僕らもよそに負けないように、もっといい彫刻をして応えていきたいなと思います。

    会社外観と社員の方々

    企業情報まとめ

    企業名 有限会社 木下彫刻工芸 姫路工房
    住所 兵庫県姫路市兼田251-12 MAP
    定休日
    電話番号 079-240-6626
    営業時間 8:00~18:00
    HP 有限会社 木下彫刻工芸 公式Facebook
    その他 お問い合わせの際は「姫路みたい」を見た。とお伝えいただくとスムーズです。
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    2020年10月22日時点での情報です。
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