鉄板で野菜やホルモン、うどんを焼いてタレをつけて食べる「ホルモン焼きうどん」をご存じですか？ この少し変わった鉄板料理がソウルフードとして知られるのが兵庫県佐用郡佐用町。

「佐用町ホルモン焼うどん屋さんMAP2019年版」に掲載されている飲食店9店舗、ゴルフ場2か所の全11店舗をご紹介します。

佐用町ではかつて畜産業や精肉業が盛んで、新鮮で安価な内臓肉（ホルモン）が入手しやすい環境だったことから、70年以上昔から、家庭料理や郷土料理としてホルモン焼うどんが食べられていたといわれています。

特徴は、必ず添えられる「つけだれ」。鉄板から焼うどんを箸で取り、タレに付けて食べるのが佐用流です。このタレは、お店ごとに味付けや調理法に違いがあります。

また、ホルモンの部位を好みで選べる店もありますが、調理時に油を使わず、ホルモンの脂分で炒める関係で、必ずマルチョウが入ります。
※ホルモンの部位の名称を以下のように統一しています。

ランチタイムに提供される「ふじセット（980円/税込）」。国産牛の新鮮なホルモンのみを使っています。

うどん1玉、腸と国産の豚バラ肉、ネギとキャベツを絶妙な加減で焼き上げました。
つけダレの材料は、地元の味噌と醤油以外は秘密。佐用町産のユズ皮の食感と香りが、まったりと深い味わいタレの風味をより引き立てます。

中国自動車道「佐用IC」から車で6分。店内中央には大きな鉄板があり、周りにカウンター8席とテーブルが4つあります。個室は2部屋で、8名、10名まで利用できます。店長が焼いてくれるカウンターで食べるのも良し、個室で家族やグループと食事を楽しむのも良し。

オーナーの北村さんは、佐用駅前で長く飲食店を経営し、8年前に「ふじ」をオープン。リーズナブルな昼の定食や、夜の単品の豊富さから、リピーターが絶えません。ホルモン焼きうどん以外の人気メニューはお好み焼き。子どもの好きな料理も充実しており、家族連れにも人気です。

70年以上のキャリアを誇る老舗「一平（いっぺい）」です。食堂として開業したのち寿司屋になり、平成22年から現在のお食事処になりました。JR姫新線と智頭急行「佐用駅」から県道562号線を北東方向に徒歩5分。中町交差点の北東角にあります。

焼き込みホルモンうどん850円（税抜）

国産牛のマルチョウ、ハツ、センマイを使ったホルモン焼うどんです。メニュー名通り提供前に味付けされ、しっかりと焼き込んであります。つけだれは無しで食べるスタイル。味噌としょうゆが効いたシャープな味です。

注文するとキッチンで調理してから提供されます。ホルモン焼うどん以外に、ジビエ肉を使った「ぼたん鍋」や「鹿肉カレー」などにも力を入れています。

昭和26年開業からメニューはホルモン焼うどんと飲料のみ。正真正銘のホルモン焼うどん専門店「一力（いちりき）」です。佐用共立病院よりも200mほど南、国道179・373号線沿いにあります。

マルチョウ750円（税込）、ミノ750円（税込）、ハツ750円（税込）、うどん玉160円（税込）。

マルチョウ、ミノ、ハツなどホルモンの定番メニューで彩る焼うどん。つけだれは、ニンニクが効いた味噌としょうゆベースの濃い目の味付けです。昭和20～30年代はどぶろくのアテだったほどお酒に合います。令和は濁り酒などでいかがでしょうか。

鉄板を囲むようにコの字に座席があるだけのシンプルなお店。専門店の雰囲気を醸し出しつつ、入りやすい気やすさがあります。焼きあがる湯気が舞うたびに、お店に良い香りが広がります。

今年で32年目を迎える歴史ある「焼肉かづ」。中国自動車道「佐用IC」から、国道373号線を「鳥取・智頭方面」へ。佐用インターの交差点から100mほどにあります。

ホルモン（マルチョウ）750円（税込）、うどん玉160円（税込）。

うどん玉とホルモンを注文すると、キャベツ、ネギ、ニラは分量に合わせてサービスしてくれます。写真は1人前。複数人でたくさん注文し、まずは上の柔らかい出来立てのうどんを食べ、かき混ぜずに、鉄板の余熱で下側がパリパリになるまで熱しながら食べるのがおすすめです。

つけだれは、しょうゆ、味噌、かつおだしがベース。もともとホルモンが苦手だったオーナーが、脂がたっぷり乗ったシマチョウでもあっさり食べられるよう工夫した超さっぱり系のタレです。冬はすりおろしたユズを加えることでさらに食べやすくなります。

ホルモン焼きうどん専門店のため、ご飯メニューがありません。注文は、うどんの量と肉の部位を選びます(例：1玉160円/税込＋100g510円～/税込)。

仕入れてすぐのホルモンを、丁寧に、徹底的に下ごしらえ。そのため、全く臭みがありません。
つけダレは地元の醤油をベースに、複数の調味料で独自に調合しています。ニンニクを感じさせないさっぱりとしたタレは門外不出の秘伝の味。別添えの一味や、柚子のしぼり汁をタレに混ぜると、辛味や香りを楽しめます。

中国自動車道「佐用IC」から車で6分。女性一人でも入りやすい、明るくきれいなお店です。足を伸ばして座れる掘りごたつ式の座敷は、グループや子ども連れの家族でにぎわいます。

60年以上前、佐用町で最も古いホルモン焼きうどんの店として開業。20数年前にホルモン焼きうどんがメディアに取り上げられ、「お多福」がブームの火付け役になりました。3代目を継いで15年のオーナーは「地元の方に愛されながら、他府県からも食べに来ていただけるのがありがたいです」と、町の活性化の一助となっていることを喜びました。

ホテルのレストラン部門で30年のキャリアを持つ料理長が作る「ホルモン焼きうどん（1550円/税抜）」。季節にかかわらず昼食の定番メニューとして人気の一品です。

国産の牛腸、丸腸の他、キャベツ、ニンジン、モヤシ、タマネギを使い、彩り鮮やかに。一人用の鉄板で自分好みに焼きながらいただきます。
つけダレのレシピは秘密ですが、ヒントは白みそにあるようです。

JOYXゴルフ倶楽部上月コース自慢のレストラン。ゴルフを楽しめる他、一品料理から会席膳まで本格的なプロの料理が食べられます。

JOYXゴルフ倶楽部上月コースは開業して27年目。約60万坪の雄大なフラットコースを誇り、トッププロが熱戦を繰り広げる「JOYX　OPEN」を開催する関西唯一のチャンピオンコースとして有名です。クラブハウス3階には宿泊用ツインルームが29室あり、朝一番のスタートに備えることができます。アクセスは中国自動車道「佐用IC」から車で23分です。

レストランはゴルフのプレーヤーだけでなく一般も利用可。

「ホルモンうどん（1600円/税抜）」は、牛ホルモン、ニンジン、キャベツ、ピーマン、タマネギがたっぷり入って栄養価もボリュームも満点です。
ホテルや名だたるレストランで腕を磨いた料理長が作るピリ辛味のつけダレは濃厚で奥深い味。

ブルーとレッドが鮮やかなフロントロビー。ゴルフ場の常識を覆したデザインが斬新です。昨年は、大手予約サイトの宿泊プランのあるゴルフコースランキング西日本第一位に選出されました。クラブハウスの他、隣接している「タワーホテル」で宿泊できます。大浴場やカラオケルーム、キッズルームがあり、家族で利用する方に好評です。

昭和61年開場のG-styleカントリー倶楽部。緑に囲まれた全18ホールがプレーヤーを楽しませます。順位表搭載機能のある最新GPSナビカートがあり、お気に入りのコースを回りながら、リアルタイムで順位チェックができます。アクセスは中国自動車道「佐用IC」から車で16分。予約など詳しくはHPをご覧ください。

誰もが驚く大きさの「鉄板焼き運搬ヘラ」。オーナーが標品登録を取得しています。

ヘラだけでなく、ホルモン焼きうどん（一人前1200円/税込）も驚きのボリューム！ 17年前の開店当初から値上げせずに量を増やしています。
うどん2玉、ホルモンミックス、豚肉や鶏肉、さらに野菜などの具材をバランスよく混ぜ合わせています。満足できること間違いなし！

50歳になったらホルモン焼きうどんの店を持つという目標を叶えた店主。「やるからには他のメニューは一切出さない。一生努力し続ける！ 客人を裏切らず、求められる以上の感動を与えたい！」という信念を貫き、客人をもてなしています。店内の柱に貼られた、来店者の名刺やメッセージが、お店の人気を物語っているかのようです。

中国自動車道「佐用IC」から車で2分。店主と女将さん二人三脚で営むアットホームな雰囲気のお店です。「覚えやすく親しみやすい店名にしたんよ」と女将さんはにこやかに笑います。手作りの内装や外装から感じる温かなぬくもりがファンを魅了してやみません。

開業28年、おでんや定食、お好み焼きなどが食べられる料理屋「味扇（あじせん）」です。中国自動車道「佐用IC」から国道373号線を「鳥取・智頭方面」へ。佐用インター北の交差点を西に曲がった場所にあります。

マルチョウ550円（税込）、ミノ700円（税込）、オウカク900円（税込）、うどん玉140円（税込）。

さまざまな部位のホルモンが楽しめるお店。今回は撮影用にマルチョウ・ミノ・オウカクをうどん玉3つで調理してもらいました。やや甘めのみそ系と、キリッとした味わいのしょうゆ系のつけだれで食べられます。

開業から一貫して、注文を受けてからホルモンを切るスタイルを貫いています。カット済みのものを調理するより時間はかかりますが、空気に触れていない分、鮮度は抜群です。

国道179号線のバイパス（新道）の東端から旧国道179号線に入り、200mほどにあるのが「鉄板焼き　都途路」です。約13年間、喫茶スナックをしていて、約3年前から鉄板焼き屋を始めた異色のお店です。

マルチョウ700円（税込）、ホルモンミックス700円（税込）、うどん玉150円（税込）。

キャベツ、青ネギ、淡路産に負けない甘みと旨みの佐用産玉ねぎ、国産黒毛和牛のホルモンを100%使用。つけだれを焼うどんに混ぜない店もありますが、都途路はその食べ方もOKです。

作るのに手間がかかるつけだれを、4種類も用意しています。左から順番に、ニンニクのパンチが利いた醤油だれ、さっぱり・甘めの赤味噌だれ、ピリ辛と甘さがくせになるコク甘ピリリだれ、生姜味のあっさり味噌だれ。いずれもホルモンの味を引き立たせます。

西山橋交差点の西側角にある「新さよ」です。昭和50年に別の場所で「さよ」としてオープンし、昭和51年に移転をした際に「新」を付けたのが名前の由来。佐用町の市街地を走る国道179・373号線、マックスバリュー佐用店の入口やドコモショップ佐用店の近くです。

ミックスホルモン550円（税込）、うどん玉100円（税込）。

つけだれを使わず焼き込んだホルモン焼うどんが特長。味に影響が出るから、鉄板で焼くのは肉系か焼うどんのみというこだわりです。さらに、先代が畜産関係の仕事をしていた関係で、国産黒毛和牛のホルモン焼うどんが超リーズナブル！

味噌としょうゆのブレンドだれで焼うどん自体にしっかりと味を付け、つけだれを使いません。甘めで食べやすく、ニンニクがほどよく効いています。追加のホルモントッピングはオウカクがおすすめですよ。