【播州織】tamaki niime の魅力にせまる~染色職人編~
西脇市の地場産業で200年以上の歴史と伝統をもつ「播州織」を新しい感覚で捉えた作品を生み出すブランド「tamaki niime」。その中で、入社して2年半、色と遊び、染色を楽しんでいる岩本典子さんにお話を伺いました。
あなただけの特別の色を見つけませんか?
<Q. tamaki niimeに入ったきっかけは?>
A. 私は長崎県出身で、ウールを紡いで作品を販売する趣味を持っていました。ある時、長崎で「tamaki niime」の個展を開いているセレクトショップがあり、そこで作品を見たんです。
当時、私はテレビのカメラマンのアシスタントを10年くらいしていて、続けるかどうか悩んでいるところでした。友達から「これからどうするの」と聞かれ「何かに挑戦しないといけないな」とも思っていました。
そんな時、「tamaki niime」のfacebookで求人が出ているのを見つけたんです。ショールが柔らかく、軽い、色も豊富。配色も一つ一つ違う。それがなぜ流通に乗せられるのか知りたかった。悩んでいても仕方がないので、思い切って応募したところ、採用が決まりました。
兵庫のソウルフード「チャンポンめん」
<Q. 入ってからご苦労はありましたか?>
A. だいぶ苦労しましたよ(笑)。まず、釜で糸を染めることが初めてでした。趣味でしていた頃は、糸になっていない原毛のウールを自宅のキッチンの鍋で染めていました。だから糸の扱いが全く違いましたね。チームの先輩は染色が初めてで、その方も半年後に辞め、しばらくの間一人で染め場を切り盛りすることになりました。その後は新人が入ってきて......。そんな中でやってこれたのは「染める」という行為の全てが好きだからですね。色出しは楽しい。でも、年間に1トン2トン近くの染色をこなさないといけないので、体力面では大変かな!?
A. 染色屋さんだったら、お客様から「この色にしてほしい」と指定があるのですが、ここではそれはない。たとえば紺色といっても色出しは無限大で、自由度があり、その分、プレッシャーと困難の日々でした。同じ色であっても、グラデーションを付ける方法もあります。束になった糸にラップを巻いて染色します。他にも、むら染めにしたり、色を変えたりしてバリエーションを付ける。それでも、色とバリエーションだけでは組み合わせが尽きてしまいます。それが織りになると、独自の工夫でまた違って見えたりもするんです。
お洒落な服を着て紅葉狩りはいかがですか?
<Q. 楽しいこと、良かったことはありますか?>
A. 染色では、偶然的に起こる発見が楽しいです。完成した作品のイメージは、糸が面で織られた時にどうなるかを考えて60%くらいは予想できるんですが、残りの40%は偶然です。今までは染めることでいっぱいいっぱいだったけれど、最近その発見が楽しくなってきました(笑)。
仕事全般としては、自由度が高く、責任もやりがいもあるところが良い。私は地元出身ではないので、こちらに知り合いがいません。でも今は、染め、織り、縫製、編みといったものづくりチームとお客様と作品を繋ぐ販売チームの仲間がいて、がっちり組んで仕事をしていく。そんな可能性が見えてきました。
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<Q. これからやってみたいことはありますか?>
A. 海外で「染め」のワークショップをしてみたいです。作品ができるまでの分業制の作業は、染めから始まることを多くの人に知ってほしいです。私自身、海外に行って色に刺激を受け、そのインプットを作品にアウトプットできれば言うことなしですね。現状では、自分で海外に行くことはなかなか難しいのですが。
「tamaki niime」は今後も面白いことをやると思いますよ。未来にはワクワクしかありません。「tamaki niime」ができたことで、地元が活性化して、地域貢献になればいいなと思っています。そして、皆さんには、自分に"どんぴしゃ"な色を見つけて身にまとってほしいと思います。そのための染色ですからね。
店名 | tamaki niime(タマキニイメ) |
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住所 | 兵庫県西脇市比延町550-1 MAP |
定休日 | 火曜日 |
電話番号 | 0795-38-8113 |
営業時間 | 11:00~18:00 |
アクセス | JR加古川線「日本へそ公園」駅より徒歩5分 |
HP | 公式ホームページ |
その他 | お問合せの際は「姫路みたい」を見た。とお伝えいただくとスムーズです。 |
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