【桜餅】関西と関東で全く違うのはなぜ?葉っぱは食べるの?理由やレシピをご紹介
春になると、和菓子店を彩る「桜餅」。
地域によって見た目や、使う材料が違うことをご存じですか?
今回は代表的な2種類の桜餅、「関西風桜餅」と「関東風桜餅」の違いや由来をご紹介します。
おうちで簡単に作れる関西風と関東風の桜餅のレシピもありますよ。
桜餅とは?
「桜餅」とは、もち米や小麦粉で作った桜色の生地であんこを包み、塩漬けされた桜の葉を巻いた和菓子のことです。
俳句の世界では春の季語にもなっていて、桜が開花する3月下旬から4月上旬に食べられることが多いです。
2月4日の立春の日に、1年の幸運を願って食べる「縁起菓子」としても、ふさわしいとされています。また、3月3日のひな祭りでも食べられます。
関西と関東で全く異なる「桜餅」
桜餅は大きく分けて、「関西風桜餅」と「関東風桜餅」の2種類があります。
どちらも「桜餅」という名前ですが、使われる材料や見た目が違います。
どのような違いがあるのか? それぞれの桜餅の特徴と、共通点である「桜の葉」についてご説明します。
関西風(道明寺)桜餅とは
「道明寺(どうみょうじ)」と呼ばれる関西風桜餅。
もち米を蒸して乾燥させ、荒く挽いて作られた「道明寺粉」と、「つぶあん」で作ります。大阪の藤井寺市にある道明寺で最初に作られたことから、道明寺粉と呼ばれるようになりました。
関西風桜餅「道明寺」の特徴は、おはぎのような、つぶつぶとした見た目と、もっちりとした食感です。
一説によると、次にご紹介する関東風桜餅「長命寺(ちょうめいじ)」の人気にならって、大阪でも売られるようになったといわれています。
関東風(長命寺)桜餅とは
「長命寺(ちょうめいじ)」と呼ばれる関東風桜餅。
小麦粉で作った生地を薄く焼き、「こしあん」を巻いたり挟んだりして作ります。
クレープのような見た目が特徴です。
江戸幕府8代将軍・徳川吉宗は、江戸に花見の名所をつくろうと、隅田川沿いにたくさんの桜を植樹しました。この桜の葉っぱを活用するために、東京都墨田区の向島にある長命寺で働いていた山本新六が桜餅を考案しました。現在も墨田区向島には、山本新六が創業したお店があります。
共通点は「桜の葉」
関西風桜餅と関東風桜餅の共通点は、どちらも桜の葉を使用していることです。
桜の葉は食べる人と食べない人に分かれますが、どちらが正しいのでしょうか?
桜の葉を巻く理由と合わせて、ご説明します。
桜の葉を巻く理由
桜餅の桜の葉は、「オオシマザクラ」という種類のもので、塩漬けしたものが使われています。桜餅の季節になると、大型スーパーやインターネットショップなどで購入することが可能です。
桜の葉を巻くのは、桜の香りをつけたり、お餅の乾燥を防いだりするためです。
桜の葉には抗酸化作用や抗菌作用があり、防腐の効果も期待できます。
桜の葉は食べる?食べない?
桜餅の葉は食べられるのか? 疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。
桜の葉は食べても問題ありません。
食べるか食べないかは、ご自身の好みで決めてください。
桜の葉をつけたまま食べると、お餅の甘みと葉の塩味のハーモニーを楽しめます。一方、葉をはがしてから食べると、桜餅そのものの味をより感じることができます。
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桜餅の作り方
ここからは、おうちで簡単に作れる桜餅のレシピをご紹介します。
関西風と関東風のどちらもありますので、ご自宅で作るときの参考にしてみてください。
関西風(道明寺)桜餅
■材料
桜の葉(塩漬け)...6枚
こしあん...120g程度
〈餅〉
道明寺粉...100g
砂糖...20g
食紅...少量
水...150cc
道明寺粉、砂糖、水を混ぜ合わせます。そこへ赤色の食用色素を溶かした水を爪楊枝の先などにつけて、桜色になるように少しずつ加えていきます。
ラップをして600Wのレンジで4分間加熱します。その後、ラップをしたまま10分間置いて粗熱をとります。
生地とこしあんを6等分に分けて丸めます。平たく伸ばした生地にこしあんをのせて、おはぎのように包み、最後に桜の葉で巻きます。
関東風(長命寺)桜餅
■材料
桜の葉(塩漬け)...6枚
こしあん...180g程度
サラダ油...少々
〈生地〉
白玉粉...10g
薄力粉...40g
砂糖...20g
食紅...少々
水...150cc
白玉粉に水を少量ずつ加えながら混ぜます。次に薄力粉と砂糖を入れたボウルに、水で溶いた白玉粉を少しずつ加えながら混ぜ合わせます。
関西風桜餅と同じように、食用色素を溶かした水を生地に少しずつ加えます。桜色になったら、常温で約30分程度休ませておきましょう。
サラダ油をひいたフライパンに、生地(大さじ3)を入れて薄く伸ばします。生地に焼き色がつかないように、火加減を調整し、軽く焼いてください。
焼き上がった生地の真ん中にあんを挟んで二つ折りにし、桜の葉を巻いたら完成です。
桜餅を食べて春の訪れを感じよう
春の訪れを感じさせてくれる「桜餅」。
関西風や関東風など、地域によってさまざまな特徴があります。
それぞれの桜餅を食べ比べて、桜が咲く春の季節を楽しんでみてはいかがでしょうか?