おいしい牡蠣が育つことで有名な赤穂市坂越(あこうしさこし)。2019年10月27日（日）から牡蠣の新物が出荷され始めました。そこで「食べ比べができる店」「一年中楽しめる店」「食べ放題の店」をご紹介します。ぜひ、旬をむかえた坂越の牡蠣を満喫してください。

赤穂市の「坂越浦」は、名水百選にえらばれている千種川の河口。湾内に人の立ち入りが禁じられた生島（いきしま、いくしま）があることから、川や島からきれいで栄養豊富な水が流れ込みやすく、牡蠣の生育にふさわしい環境といわれています。

通常の養殖牡蠣は2、3年かけて育ててから出荷されるのに対し、坂越の牡蠣は恵まれた環境で生育されるので、1年で丸々と太った状態に。そのため、苦みやえぐみ、臭みが極端に少ないことが特長です。

一般的な生食用の牡蠣は、菌やウイルスを基準値以下にするため、栄養のない殺菌水で数日「断食」させられます。しかし、坂越浦では水質が良いため、牡蠣は出荷寸前まで海水のなかで餌を食べつづけています。そのため、味が濃く、しかも、加熱しても身がほとんど縮まないのです。だからうまい！

播州赤穂駅の南側駅前ロータリーから県道32号線を南へ徒歩約8分。坂越漁港にある13社の水産会社のひとつ「かましま水産」が、おいしい坂越の牡蠣を多くの人に一年中食べて欲しい！　という思いから、7年前にオープンしたアンテナショップです。

「かましま水産」では、通常の牡蠣の養殖より7～8割ほど数を少なくして育てる方法を採用。一つ一つが大きく育つ工夫をしています。店内では、かごに1個ずつ並べる「シングルシード」という方法でより大きく成長した牡蠣が味わえます。

大きさ、品種、育て方の異なる「生牡蠣の食べ比べ」1000円（税抜）を一年中提供しているのも、「かましま水産」ならではのサービスです。

「グランオイスターマイスター」の有資格者で、牡蠣の殻剥きで世界選手権に出場した経緯を持つ女将・釜島典子さん。牡蠣のスペシャリストの話を聞きながら、生牡蠣や蒸し牡蠣、カキフライなどを味わい、坂越の牡蠣の魅力を堪能してください。

坂越漁港のなかにある観光施設「海の駅　しおさい市場」では牡蠣の食べ放題が行われます。屋外での牡蠣食べ放題が有名です。屋外といっても、簡易的な屋根やビニールの囲いはありますよ。
車でのアクセスは、山陽自動車道の「龍野西IC」から約20分、「赤穂IC」から約18分。電車の場合は、JR坂越駅からバスで8分、「大黒」で下車して徒歩1分です。

坂越漁港から船で数分の距離にある養殖イカダから毎日水揚げされる新鮮な牡蠣。水揚げ寸前まで餌を食べていた牡蠣なので、身の詰まりはパンパンで味は濃厚。少々焼き過ぎても、身が縮みにくいのです。

「焼き牡蠣食べ放題」は70分3000円（税抜）で味噌汁とミカン餅付き。サッと火を通したレアな焼き加減で味わいたいですね。

牡蠣の食べ放題は、11月中旬から4月下旬までの期間限定です。1月、2月の週末は混雑が予想されるので、時間にゆとりを持ってお出かけください。

「海の駅 しおさい市場」のなかにある「くいどうらく」。店内で目を引く囲炉裏座席。牡蠣をはじめ大アサリ、サザエ、ホタテなどの炭焼きを楽しめます。「貝鮮盛り」2200円（税込）はおすすめメニューのひとつですよ。

牡蠣シーズンのピークともいえる1～2月の週末は、入店まで2時間待ちになることも。事前予約ができないので、早めの到着をおすすめします。

11月～3月のシーズン中の「焼き牡蠣食べ放題」は90分4200円（税込）で牡蠣めし・あおさの味噌汁・小鉢付き。一年を通して楽しめる焼き牡蠣は10個1980円（税込）です。牡蠣や貝以外の海鮮類も食べることができます。

シーズン中は採れたての牡蠣が味わえます。また、夏場のシーズンオフ時は「プロトン凍結」という味・香り・食感を損なわない特殊な冷凍方法で保存された牡蠣を提供するので、一年中焼き牡蠣が楽しめますよ。