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【加古川】MINI COOPERと一緒に、加古川の人気スポットを巡る秋のドライブ|多木浜洋館・同比閣

【加古川】MINI COOPERと一緒に、加古川の人気スポットを巡る秋のドライブ|多木浜洋館・同比閣
目次

    贅を尽くした館内の意匠は独創的な究極のリュクス

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    1933年に竣工した多木浜洋館・同比閣は、当時は珍しい木造4階建て。
    屋根や外壁のすべてが銅版葺きで、別名「あかがね御殿」と呼ばれる歴史的建造物です。

    ここは、日本で初めて人造肥料を開発し、株式会社多木製肥所(現:多木化学株式会社)を創立した多木久米次郎氏が、賓客を迎えるために建てた館。
    基礎工事に着手した1918年から、実に15年の歳月をかけて造営されたとあって、貴重な建築様式や調度品などの名品の宝庫です。

    2002年に国の登録有形文化財、2020年に兵庫県景観形成重要建造物に指定されました。

    長年の歳月を経て、緑青(ろくしょう)をまとった風雅な外観も見ものですが、建築面積延902㎡、贅を尽くした内装の意匠の数々は、一見に値する貴重なものばかり。

    大理石を敷き詰めた玄関、ステンドグラスの装飾やイオニア式デザインの木柱、日本古来の桃山式の天井に西陣織の壁面クロスなど、様式にとらわれない和洋折衷のインテリアは、ほかに類を見ない独創的な意匠。
    それを、全体として優美な形に完成させた芸術性の高さには目を奪われます。

    事実、建築家や設計士の来館も多く、一様に驚きの声をあげるのだとか。

    西洋の文明や生活習慣を積極的に取り入れた明治の文明開花。
    そのスタイルをも軽々と超えたホンモノのラグジュアリーが体感できます。

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    加古川市別府港に注ぐ別府川右岸河口近くに建つ多木浜洋館・同比閣は、基礎の土台に煉瓦を積みあげた建ちの高い木造4階建。
    100年近い年月を経て、あかがね色だった外観は美しい緑青(ろくしょう)をまとい、周囲の風景に溶け込んでいます。

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    入ってすぐの玄関ホールは、3階までまっすぐの吹き抜け。
    階段の親柱は国会議事堂にあるデザインをイメージした、私邸では滅多に見られない豪華さ。
    ステンドグラスはティファニー製と言われているとか。

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    150㎡もの広さを誇る1階の大広間。
    一番の見どころは、桃山風の格天井にはめこまれた極彩色の彫刻です。

    肥料製造を手掛けていることから、モチーフは身近な植物や野菜がメイン。
    東西南北の四隅には、縁起のいい松竹梅が配置されています。

    柱はマホガニーやチーク材、壁面クロスは西陣織の別注など、絢爛豪華な内装に圧倒されます。

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    2階の貴賓室。
    天井は折上げ格格子、マスの中は極彩色の大広間とは趣向を変えた漆塗りの朱色で彩られています。

    トラディショナルなロココ様式の調度品とシルク製のオリジナル絨毯の組み合わせがエレガント。

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    ランプシェードには、二本の鍬(くわ)を交差させた多木化学株式会社の社章「神代鍬(じんだいくわ)」と、丸に木瓜の多木家の家紋が刻まれています。
    破損や劣化を想定して、相当数の予備シェードを竣工当時につくっておられたとか。
    取り付け部分を上下逆にしてシャンデリアにも使用しているので、よく見ると「神代鍬」が上下さかさまになっています。

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    床はほとんどが寄せ木造り。
    現代も人気のヘリンボーンはもちろん、今では見ることができない手の込んだパターンなど、並べ方は各部屋ですべて異なります。

    2階の貴賓室にある大理石のマントルピース手前の床は、複雑に組み合わされた寄せ木が!
    その緻密な仕事に、当時の職人の技を感じずにはいられません。

    日本初の人造肥料の開発を成し遂げた「肥料主」

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    多木浜洋館・同比閣の建主、多木久米次郎氏が、人造肥料の開発に乗り出したのは、魚肥価格の高騰がきっかけでした。

    当時、魚肥や醤油を商う家業を継いで間もない久米次郎氏は、安価な肥料の開発が日本の近代化に不可欠と一念発起。
    試行錯誤を重ねた結果、牛馬の骨粉肥料の開発に成功しました。

    その後、燐鉱石を原料とする過リン酸石灰の製造も開始し、1918年に株式会社多木製肥所(現:多木化学株式会社)を設立。
    事業を拡大すると同時に、衆議院議員を6期務め、貴族院議員になるなど、国政にも参画し、別府町に多大な貢献をした傑物として知られています。

    多木浜洋館・同比閣の西側には「肥料主」と文字が刻まれた大きな台座があります。
    そこには久米次郎氏の銅像が立っていましたが、戦時中の金属供出により銅像は取り払われ、現在は台座が残るのみとなっています。

    全国的にも珍しい贅を尽くした多木浜洋館・同比閣の鑑賞は、建築や意匠の専門家でなくとも楽しめるに違いありません。
    明治のモダニズムに思いを馳せながら、貴重な名品の数々に触れて、芸術の秋を楽しんでみませんか。

    館内の見学は月2回程度、完全予約制で実施されています。
    ガイド付きで、所要時間は約1時間30分(500円/1名)。
    予約方法や実施日の詳細は公式HPでご確認ください。

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    3階のサンルームからは眺望抜群!
    竣工当時はオープンなテラスでしたが、雨による壁の湿食(液体により金属が腐食する現象)を考慮し、屋根をつけてサンルームに改装されたのだとか。

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    塀の瓦にもひとつずつ丁寧に神代鍬(じんだいくわ)の社章が刻まれています。

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    国の登録有形文化財、兵庫県による景観形成重要建造物の認定プレートが。

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    現在、多木浜洋館・同比閣を管理している「学校法人多木学園 別府幼稚園」。
    ここは1910年、多木久米次郎氏の夫人によって開園された歴史ある幼稚園です。
    多木浜洋館・同比閣も園外保育施設として活用されています。

    スポット名 多木浜洋館・同比閣
    住所 加古川市別府町東町174 MAP
    問い合わせ先 079-437-8176(学校法人多木学園 別府幼稚園)
    駐車場
    アクセス 加古川ランプ 車25分
    HP 多木浜洋館・同比閣【公式HP】
    その他 お問い合わせ・ご予約の際は「まるはりorみたい」を見た。とお伝えいただくとスムーズです。
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    【加古川】MINI COOPERと一緒に、加古川の人気スポットを巡る秋のドライブ|千成亭

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    2025年10月27日時点での情報です。
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