空海　KŪKAI － 密教のルーツとマンダラ世界って？

国宝　両界曼荼羅（高雄曼荼羅）のうち金剛界　平安時代（９世紀）　京都・神護寺

2024年、空海生誕1250年を迎え、その偉業を称えるための特別展が開催されています。本展では、空海が日本にもたらし、その後の日本文化に多大な影響を与えた密教のルーツを探る内容が展示されています。

「虚空尽き、衆生尽き、涅槃尽きなば、わが願いも尽きなん。」（『性霊集』巻第八）

（この世のすべてのものが消滅し、仏法の世界が尽きるまで、私は人々が救われることを願い続ける）

この有名な言葉に象徴されるように、空海は衆生救済の願いを持って密教に辿り着きました。彼は中国の唐に渡り、師匠の恵果から密教の教えを完全に受け継ぎました。

両界曼荼羅のうち金剛界　江戸時代　宝永5年(1708)　大阪・久修園院

本展では、密教がシルクロードを経由して東アジアの諸地域、そして日本に伝わった歴史的な軌跡を詳しく紹介します。これにより、空海がもたらした密教の全貌を解き明かすことができます。展示される多数の仏像や仏画を通じて、空海が強調した「目で見てわかる」密教のマンダラ空間を再現します。

国宝　十二天像のうち水天　平安時代　大治2年(1127) 　京都国立博物館

さらに、各地で守り伝えられてきた空海ゆかりの至宝が一堂に会し、空海と真言密教の魅力を存分に味わうことができる絶好の機会となっています。空海の生誕1250年を記念して開催されているこの特別展で、彼の遺した偉大な足跡と密教の深遠な世界に触れてみてはいかがでしょうか。

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