姫路【書写山 圓教寺】千年の歴史を感じて体も心も癒される旅に
歴史上有名な人物との関わりが深く、美しい自然にも恵まれている「書写山 圓教寺(しょしゃざん えんぎょうじ)」。圓教寺を訪れた際にかつてこの地で起きたさまざまな歴史に思いをはせる人も少なくありません。
また、その静かで厳かな佇まいは圧倒される雰囲気があります。西の比叡山と称される「書写山 圓教寺」でゆっくりと流れる時間を過ごしましょう。
※新型コロナウイルス感染拡大防止のため、マスクの着用や人との距離を保つなどの対策をとるようにしましょう。
「書写山 圓教寺(えんぎょうじ)」の基本情報
兵庫県姫路市にある書写山は標高371m、その山上にあるのが圓教寺です。
966年、圓教寺は天台宗の僧である性空上人(書写上人)によって開かれました。
西国三十三所観音霊場の第二十七番札所であり、全国各地から巡礼者が訪れています。
書写山ロープウェイで空からの景色を堪能した後、目の前に現れるのは山上一帯に広がる境内です。
本堂までは樹齢数100年の古木や苔むした岩など、神秘的な雰囲気が漂う参道を堪能することができます。
荘厳な舞台づくりの「摩尼殿(まにでん)」
「摩尼殿」は3つに分かれている境内の「中谷」にある、圓教寺の信仰上の中心となっている堂で、摩尼(まに)とは梵語で「如意(にょい)」のことを指します。摩尼殿は970年に創建され、六臂如意輪観世音菩薩が本尊となっています。
本尊は秘仏であるため、毎年1月18日の修正会(鬼追い会式)の日にのみ開帳されます。
本尊の観音像は創建前に性空上人が桜の木に礼拝している天人を見かけ、その木に刻んだものだという逸話が残されています。
圧巻の姿で様々なロケ地にもなっている「三つの堂」
「三つの堂」は室町時代中期に建てられ、名前の由来は本堂、食堂(じきどう)、常行堂(じょうぎょうどう)がカタカナの「コ」の形に立ち並んでいることであるといわれています。
三つの堂といえば、その圧巻の姿からさまざまな映画のロケ地としても有名ですよね。大講堂が圓教寺の本堂であり、法要、学問や修行の場として使用されています。食堂は後白河法皇の勅願で建てられた僧の生活の場、常行堂は阿弥陀如来を本尊とする常行三昧の道場です。食堂の1階で写経体験、2階で圓教寺の宝物を見ることができます。
力士の彫刻が逃げたという伝説の残る「開山堂(かいざんどう)」
「開山堂」は圓教寺の奥の院にある建物のひとつで、性空上人を祀るお堂です。寛弘4年に性空上人が98才で世を去った後弟子の延証が創建、以来朝夕欠かさず僧たちの勤行の場にもなっています。
現在の建物は寛文5年(1665)の再建(国指定重要文化財)。
開山堂の軒下には四隅を支える力士像(左甚五郎作)がありますが、西北隅の像は開山堂の重さに耐えられず、逃げ出したという伝説で有名です。
開山堂の彫刻が逃げ出すとは、2人の童子、若丸(毘沙門天の化身)と乙丸(不動明王の化身)を従えていたという上人ならではの面白いエピソードですよね。
武蔵坊弁慶や黒田官兵衛ゆかりの地でもある「書写山 圓教寺」
圓教寺は全国から多くの人が訪れる観光スポットとして人気ですが、歴史上の有名人物達の逸話も残されていることから歴史マニアにとっても堪らない場所です。
有名なのが、源義経の側近として名高い武蔵坊弁慶、豊臣秀吉の重臣であり、軍師でもあった黒田官兵衛でしょう。
2人に書写山でどのようなことが起きたのでしょうか。
修行を行っていた「武蔵坊弁慶」
弁慶が学んだとされる「護法堂 拝殿」
比叡山を降りた弁慶は慕っていた性空上人がいる圓教寺で多くの修行僧とともに修行に励んだといわれています。
乱暴者のイメージが強い弁慶ですが、意外にも真面目で穏やかな面もあったそうです。怪力の持ち主だった彼は大きな岩をお手玉(弁慶のお手玉石)にして遊んでいたそうですよ。
また、悪僧に落書きされた際、顔を映したとされる「鏡井戸」や修行で使用していた「机」も弁慶のお手玉石同様、圓教寺に残されています。
秀吉に進言を行った「黒田官兵衛」
書写山からの眺望
豊臣秀吉が織田信長の命によって播磨攻めを本格的に開始したのは、天正5(1577)年頃のことです。天正6年になると、別所氏の居城である三木城を攻めましたが、難航状態となっていました。
そこで、軍師の黒田官兵衛の出番です。官兵衛は山上から敵を視察することができ、かつ大量の援軍も収容可能な書写山の圓教寺に本陣を置くように提案しています。これが功を奏し、秀吉軍がその後、三木城を撃破することにつながりました。
「書写山圓教寺」でいただくことができる「御朱印」一覧
圓教寺では全部で7種類の御朱印があります。摩尼殿、三つの堂にある大講堂と根本堂、開山堂、壽量院にそれぞれ御朱印があり、そのなかでも特に人気が高いのが開山堂で入手できるチベット語で書かれているものです。
開山堂の御朱印は日本語、チベット語の2種類で、チベット語はインドでチベット仏教学を学んだ僧によって丁寧に書かれています。御朱印は日本語(漢字)で書かれているものが多く、チベット語のものは珍しいので、圓教寺を訪れた際には手に入れておくのもおすすめですよ。
【摩尼殿(まにでん)でいただける御朱印】
・『摩尼殿』 西国三十三所 第二十七番札所
・『摩尼殿』 播磨西国三十三箇所 第一番札所
【食堂(じきどう)でいただける御朱印】
・『大講堂』 神仏霊場巡拝の道 兵庫十番札所
・『根本堂』 播州薬師霊場 第十六番札所
【奥の院 開山堂(かいざんどう)で頂ける御朱印】
・チベット語の御朱印
・『開山堂』
【壽量院(じゅりょういん)で頂ける御朱印】
・『壽量院』
心を整える「お写経」の体験が可能
お写経といえば、白紙に黒筆を使って書いていくというイメージがある人も多いのではないでしょうか。圓教寺ではもちろん通常の写経(般若心経)もできますが少し変わった散華(はなびら)の形の色紙を使ったものがあります。
色とりどりの色紙に書くお写経は、初めてでも挑戦しやすいですよ。心を落ち着け、供養や所願成就などの祈りを込めてお写経してみましょう。
書写山で味わえるグルメ
書写山は手つかずの自然も多く、景色も最高です。そのような場所だからこそ、グルメも堪能したいですよね。書写山には、旬の素材を使用した本格的な精進料理からおやつ感覚で味わえるだんごまであります。
美しい景色と清らかな圓教寺の空気とともに、書写山ならではのグルメも堪能してみませんか。
枯山水を拝見しながらいただく「精進料理」
「塔頭 壽量院(たっちゅう じゅりょういん)」は重要文化財に指定されており、仏間を中心とした「方丈(ほうじょう)」と台所がある「庫裡(くり)」を組み合わせた構造になっている迎賓館です。
壽量院では、4月から11月まで精進本膳料理を提供しています。一の膳から五の膳まであり、約20品の料理を庭の枯山水を見ながら味わえるのが魅力です。
場所 | 塔頭 壽量院(たっちゅう じゅりょういん) |
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営業期間 | 4月~11月 |
営業時間 | 12~15時(着座は13時まで) |
定休日 | 木曜日 |
電話番号 | 079-266-2362 |
定番の「書写だんご」
圓教寺まで移動する際にはロープウェイに乗りますが、その際、山麓売店で人気の「書写だんご」を食べてみましょう。大きなだんごを3つ木串に挿し、炭火で焼いたものを味噌、しょうゆ、きなこから好きな味を選んで味を付けて食べます。特に、味噌は絶品だと1番人気ですよ。
場所 | 書写ロープウェイ山麓売店 |
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定休日 | 不定休 |
電話番号 | 079-266-2362 |
拝観にはロープウェイやマイクロバスがおすすめ
圓教寺の境内には自家用車で行くことができないため、無料駐車場を利用しロープウェイで移動するのが便利です。ロープウェイの始発は年間通して8時30分となっており、毎時00分、15分、30分、45分に発車しています。料金は大人600円(往復1000円)、小人300円(往復500円)です。
約4分で山頂駅に到着するので、その間、書写山の景色を楽しめますよね。また、特別志納金として往復500円を支払うと、山頂駅から摩尼殿までをつなぐマイクロバスに乗ることができますよ。
自然豊かな「書写山 圓教寺」でヒーリングの旅を
書写山の山頂にある圓教寺は周囲を美しい自然に囲まれ、四季折々の風景を目で楽しむことができます。
マイナスイオンをたっぷりと浴び、疲れた心を癒やすのにもぴったりですよ。さらに、歴史的な人物と縁が深かったり、有名な映画のロケ地として使われたりと見どころもさまざまあるので、見逃さないようにしましょう。
スポット名 | 書写山 圓教寺 |
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住所 | 兵庫県姫路市書写2968 MAP |
電話番号 | 079-266-3327(書写山圓教寺)、079-287-3652(姫路市観光振興課) |
入山志納金 | 500円 ※高校生以下無料 |
駐車場 | 有(無料) |
その他 | お問い合わせ・ご予約の際は「姫路みたい」を見た。とお伝えいただくとスムーズです。 |