兵庫県は日本の標準時子午線が通る明石市や政令指定都市である神戸市がある事で知られていますが、それ以外にも魅力的な街が数多く存在しているのをご存知でしょうか。

その中でも三木市には歴史を感じるご当地グルメやテーマパーク、観光スポットなど人々を惹きつける魅力がたくさん詰まっているのです。
今回はそんな兵庫県三木市の魅力について掘り下げていきます。

三木市の魅力を知るためには、まず街の基本的な情報を整理しておく事も大切です。
その街がどのような歴史や成り立ちを抱えているのか、どのような産業が栄えているのかを知っておくと観光がより一層楽しく感じられるはず。
アクセスや気候について把握しておく事も、快適な観光旅行のためには重要なポイントです。

まず三木市について、以下の基本情報を押さえておきましょう。

三木市上空からの風景（三木市より提供）

三木市は兵庫県の南部のやや東寄りに位置しており、北播磨地域に分類される自治体です。
2021年7月時点での人口は約7万6000人で、世帯数は約3万4000世帯となっています。市の南部を流れる美嚢川沿いに市街地が形成されているため、三木市内の人口も南部に集中しているのが特徴的です。

市の花にはサツキ、市の木には松が指定されています。面積は176.51平方キロメートルであり、全国平均の214.22平方キロメートルよりもやや小さめです。

三木市内には神戸電鉄粟生線が通っているため姫路まで約60分、県内都市部である神戸市三宮へも約60分でアクセス可能です。
県外では天下の台所として名高い大阪まで約90分となっています。

また、中国道・山陽道・舞鶴若狭道という3つの高速道路を要している事から車によるアクセスの要所でもあるのです。西日本最大級のエリアを持つ三木SAも人気ですよ。

別所長治公　辞世之碑（三木市より提供）

三木市の歴史は後期旧石器時代まで遡る事ができます。奈良時代初期に編纂された播磨国風土記にも現在の三木市周辺を舞台とした古代ロマンが書かれています。

三木市の歴史を語る上で欠かせない戦国時代の「三木合戦」では東播磨の別所氏と、織田信長軍を率いた羽柴秀吉が衝突しました。
2年にもおよぶ戦いの後勝利した羽柴秀吉はその後、三木の復興にも力を注ぎました。

廣野ゴルフ倶楽部（三木市より提供）

平野・台地・丘陵地が広がる三木市では、その地形を活かし、西日本で最も多い25ヶ所のゴルフ場があります。

温暖かつ降雨量が少ない瀬戸内海式気候が特徴で年間平均気温は14.8℃、年間平均降水量は 1196.6mmです。
比較的安定した気候条件なので観光にはもってこいと言えますね。

三木市を代表する産業「三木金物」（三木市より提供）

三木市の代表的な産業としては「三木金物」と「山田錦」の2つが挙げられるでしょう。

三木市は「金物のまち」と称されるほどの技術力を誇っており、三木市の金属製品（三木金物製品を含む）は、2019年工業統計調査（2018年実施）によると三木市全体の工業製品出荷額の約13％を占めています。
金物産業が発達した背景には前述の羽柴秀吉による復興が関わっているので、歴史を知っておくと趣深さが感じられるでしょう。

酒米の王様「山田錦」（三木市より提供）

山田錦は日本一の酒米として広く知られ、1923年に「山田穂」を母に、「短稈渡船（たんかんわたりぶね）」を父として人工交配により誕生しました。
その後の品種比較試験が優秀であったため、1936年に「山田錦」と命名されました。

観光旅行に足を運ぶのであれば、外せない定番スポットは事前にしっかり把握しておきたいところですよね。
自然豊かな環境に恵まれた三木市を訪れるのであれば、以下の3つのスポットはお出かけ先の候補に入れておきましょう。

ネスタリゾート神戸は近畿地方有数の総合テーマパークとして知られていますが、実は神戸市ではなく三木市に敷地がある事はご存知でしたか？

約230万平方メートルにもおよぶ広大な敷地と40以上のアクティビティは家族連れでも大満足のボリュームです。
レストラン・温泉・宿泊施設なども兼ね備えているので、日帰りのみならず泊りがけのお出かけにもおすすめと言えます。
県内の姫路や神戸からは車で約30～35分、大阪・京都からも約50分以内とアクセスも良好です。

敷地内では疾走感のあるバギーを運転したり、鳥のように空を飛んだり、大地を転がったりなど、大自然を感じながら手の込んだアトラクションを存分に楽しめます。

バーベキュー場が併設されているので遊んだ後のランチにもおすすめです。夏場なら広大なプール、過ごしやすい季節ならキャンプを満喫するのも良いでしょう。

また、夜になると約300万球もの電飾を使用した幻想的なイルミネーションが展開されるので、昼夜を問わず五感を心地よく刺激してくれるのもうれしいポイントですね。
遊ぶ・食べる・見る・泊るなど何でも楽しめる万能テーマパークとなっています。

動物好きの人には馬と直接触れ合うことのできる三木ホースランドパークがおすすめです。公益財団法人が運営しており入場料・駐車料金が無料になっている点は見逃せません。
園内では乗馬・食事などを楽しむ事ができます。小柄なポニーも飼育しているのでお子さん連れでも安心です。

とにかく三木の自然に癒されたいのであれば三木山森林公園に足を運びましょう。甲子園球場の約20倍の面積を誇る園内には四季折々の花が咲き、イベントも頻繁に開催されています。

三木のご当地グルメとして食べておきたいのが「鍛冶屋鍋」。
その昔、鍛冶職人が、夏場にスタミナをつけるために好んで食した「タコ」と「ナス」を使用した鍋料理です。瀬戸内で獲れるタコは夏場が旬とされており、夏野菜のナスと相性抜群です。

道の駅みきでは、鍛冶屋鍋をアレンジした「鍛冶屋鍋カレー」や「鍛冶屋鍋天丼」が楽しめます。
三木に行くなら外せない、まさに「鉄板グルメ」ですよ！

桜咲く美嚢川リバーサイドパーク（三木市より提供）

三木市は内陸部にありながら美嚢川をはじめとする水流に恵まれ、豊かな自然が魅力的な街となっています。
歴史的な背景から金物産業が発展しており、悠久の時の流れに思いを馳せながら街を練り歩くのもまた一興です。

身体を動かして遊ぶも良し、自然に癒されるも良し、十人十色の楽しみ方で三木観光を楽しんでみてください。