書寫山圓教寺もみじ祭り【11月17日から19日】

書寫山圓教寺もみじ祭り【11月17日から19日】
目次

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    姫路市民にとっては、子供の頃の林間学校で親しみ深い書寫山圓教寺(しょしゃざんえんぎょうじ)
    天台宗別格本山であり、西国三十三所二十七番札所として寺格の高い巨刹です。
    紅葉の時期を迎えると、赤や黄色に色づく山全体が燃え上がります。
    ちぎり絵のような紅葉と名刹の美しさに惹かれて、足を運ぶ人は後を立ちません。

    書寫山圓教寺の概要

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    書寫山圓教寺は966年、性空上人により開かれた名刹です。中世には総本山比叡山延暦寺にならび天台宗の修業道場として名高く、西の比叡山の別称を持ちます。京からはるか離れた地でありながら、皇族や貴族の信仰を集めた記録が多数残されています。
    国の史跡指定を受ける境内は仁王門から十妙院周辺の東谷、魔尼殿を中心とした中谷、三之堂と奥の院が在所する西谷で構成されます。標高わずか371メートルながら、山岳寺院形式を成し、その規模は西国三十三巡礼所では最大です。
    書寫山は明治維新まで女人禁制であったため、女性は東坂ふもとの当時女人堂と呼ばれていた現在の如意輪寺にお札を納め、きびすを返さなくてはなりませんでした。
    圓教寺へ至る六つの登山道うち、主になっていたのは東坂参道です。距離にして1キロほどですが、岩場の多い急斜面が続き登頂には40分の道のり。1958年に東坂に沿って書写山ロープウェイが開通すると小さな子供や高齢の方でも訪れられるようになりました。
    ロープウェイ山上駅から仁王門をくぐり、寿量院、圓教寺会館、十妙院を経て魔尼堂に至るルートが現在の参道です。緩やかなアップダウンですが歩いて25分の参道。気候が思わしくない時期や、体力に自信がない場合はマイクロバスを利用する方法もあります。特別志納金500円を奉納すると、ロープウェイ山上駅から魔尼殿間の往復ができます。

    魔尼殿の紅葉

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    魔尼殿の創建には、不思議な逸話が語り継がれています。
    性空上人が書寫山に入って4年が過ぎたある日、桜の木を拝む天人の姿を眼のあたりにします。霊木と悟った上人は、根をはったままの桜の立木に仏像を刻みます。生きた樹木に刻まれた仏像をお祀りするため、魔尼殿は急な斜面に建造されたということです。
    後になって、最初の仏像と同じ桜の木で作ったとされる如意輪観音坐像が、魔尼殿の厨子内から発見されます。この坐像は開山性空一千年忌に当たる2006年に一度だけ公開されました。魔尼殿のご本尊・六臂如意輪観世音菩薩の後ろに安置され、一般公開されることはありません。
    1月18日に執り行われる修正会のときに、ご本尊・六臂如意輪観世音菩薩のご開扉があります。秘仏と同時に魔尼殿内陣の四天王立像も開帳されます。圓教寺創設当事の作とされ、国の重要文化財。拝礼できる1年に1度の機会とあれば、ぜひ、足を運びたいですね。
    現在の魔尼殿は1921年に災禍に見舞われたため、1933年に再建されたものです。伝統様式にのっとった入母屋式かけ造りが緻密に再現されています。国の登録文化財、兵庫県指定文化財。
    紅葉の時期を迎えると魔尼堂ともみじのコントラストは、実に見事です。写真を趣味に愛好者ばかりでなく、思わずカメラを構えてしまう人が多いようです。

    ラストサムライのロケ地

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    魔尼堂の裏手からさらに西に向かう参道をたどると西谷に至ります。正面に食堂、右に大講堂、左に常行堂がコの字型に配置され、三之堂と呼ばれています。
    1331年の落雷ついで1436年の火災により消失してしまい、15世紀半ばに再建されました。中世寺院の趣を今に伝える貴重な建造物です。大講堂、食堂、常行堂いずれも国の重要文化財。
    数々の映画やドラマのロケ地となったのが、この三之堂。140億ドルを投じて製作され、世界収益457億ドルを計上したハリウッド映画ラストサムライを、深く記憶にとどめていらっしゃる方も多いでしょう。日本武士道精神を描いた大ヒット作で、渡辺健が扮する勝元の住居に設定された建物が食堂です。
    2014年放映のNHK大河ドラマ軍師官兵衛で秀吉が本陣を構えるシーンにも三之堂が使われました。毛利攻めにさいして秀吉が姫路城から圓教寺に陣を移したという歴史的事実が再現されたのです。実際に敵を監視するのに有利な地として選ばれた十地坊は、大講堂の東北に位置する貯水槽あたりだと推測されています。
    2017年8月封切りの映画・関が原は本物のロケーションにこだわった作品として話題になりました。この映画でも三之堂が徳川家康の陣所ロケ地に選ばれています。
    大講堂、食堂、常行堂とも国の重要文化財。本物の存在感は役者さんの演技にも影響を及ぼすのでしょうか。いずれも重厚さが漂う見事な作品ですね。

    書寫山圓教寺のもみじ祭り

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    幾度足を運んでも心が洗われる想いのする書寫山圓教寺ですが、紅葉の頃には華やかさが加わります。カエデ、イチョウ、ウルシ、ヤマモミジが赤や黄色とりどりに色づくのは11月中旬から12月上旬。
    恒例となったもみじ祭り2017年の日程は、11月17日、18日、19日。この3日間は夜20時まで境内のライトアップに加え、18日にはもみじライブが開催されます。今年はピアノ、ベース、ドラムによるジャズアンサンブル。スタートは16時です。由緒ある巨刹と紅葉とジャズのスーパーセッション。見逃せないですね。
    期間中の文化財特別公開は、十妙院および狩野永納筆襖絵、金剛堂および天井絵が予定されています。十妙院は今年上演された3月のライオンの実写版が撮影された場所です。将棋名人戦の緊迫した空気が狩野永納の襖絵によりさらに引き締まったように思えました。金剛堂は三間四方の小堂で、性空上人の居所であったと推定されています。性空上人が金剛菩薩と出会い、密教の印を授けられたという言い伝えの場所です。内部には仏壇が設けられ厨子が安置され、天女の図絵が天井を覆いつくします。ぜひ、拝観しましょう。
    重要文化財の公開時間は午前10時から午後16時。

    壽量院精進本膳料理

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    塔頭壽量院では、予約制で精進料理が頂けます。
    塔頭とは高僧の住房が基になり、師の死後敬いお祀りする弟子に伝えられました。塔の中で首座に当たるので塔頭とされたとも、塔のほとりで墓を守ったことから塔頭と呼ばれたとも伝えられています。室町時代に盛んだった寺の様式です。現在の壽量院は江戸時代中期に修復が施されたという記録が残っています。神殿造りや書院造りの古い形式を備えた国の重要文化財。
    壽量院で提供されるのは、圓教寺行事記にしるされている伝統的な献立を現代風にアレンジした本膳料理です。使われる器は、幻の漆器と呼ばれる書写塗。ルーツを和歌山県根來寺に持ちます。1585年秀吉の討伐により、根來塗の技術を持つ僧は離散。一部の僧により書写に技術が伝えられました。現在、当時の漆器が残っているのは書寫山圓教寺だけとなりました。
    漆器の椿皿や椀が並ぶ膳が用意され、料理長じきじきのお話を伺いながら食事が始まります。書写塗りの特徴はあざやかな朱色。料理がいっそう引立ちます。
    精進料理というと修行僧の質素な食事というイメージがありますね。壽量院の25種に及ぶ精進料理はそれぞれの素材を活かされ、味わい深いと評判です。ボリュームもたっぷりで、最後のとろろのかかった蕎麦が出される頃には、すっかり満足。すっかり満腹。
    食事の後は枯山水の庭が臨める縁に案内され、お寺手作りの羊羹とお抹茶が振舞われます。
    壽量院精進本膳料理の提供は4月から11月まで。木曜日は定休日になります。

    はづき茶屋のおすすめ

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    気軽な休憩ならはづき茶屋がお薦めです。権現坂を下った湯屋橋という小さな石橋のたもとにあります。はづき茶屋の名前は、「冥きより(くらきより)冥き道にぞ入りぬべき、はるかに照らせ山の端の月」の和歌に由来。平安時代の歌人和泉式部が播磨の聖と崇める性空上人にあてた詩だとされています。
    はづき茶屋ではお茶を無料でもてなして下さるのですが、いっしょに名物の弁慶の力餅はいかがでしょうか。店頭で焼きあがったアツアツのよもぎ餅が頂けます。
    若き日の武蔵坊弁慶は書寫山で修行をしたという言い伝えがあります。圓教寺に弁慶のお手玉石や鏡井戸、勉強机などが残されていますが、史実のほどは定かではありません。
    甘酒やぜんざい、アイスクリームなどの甘い物のほか、うどんやおにぎり、おでんなどの軽食もあります。

    書寫山圓教寺への行きかた

    書寫山圓教寺へのアクセスは、山陽道山陽姫路西インターチェンジから県道545号を経由して約8キロです。
    書写山ロープウェイ山麓駅には乗用車270台、観光バス7台の無料駐車場が完備されています。もみじ祭り開催中はかなりの混雑が予想されるので、車の場合は早目のお出かけをお勧めします。
    一時預かりの駐車場は付近にないので、バスを利用するのもいいかもしれません。神姫バス姫路北口バスターミナル10番乗り場から08系バスに乗車。おおよそ25分で、書写山ロープウェイ停留所に到着します。バス料金は片道270円。
    書写山ロープウェイは山麓駅と山上駅を約4分で結びます。ゴンドラは1基71人乗り。混雑時も意外とスムーズに乗車できるようです。ロープウェイ料金は片道500円、往復は900円。
    神姫バス姫路駅前案内所で販売している書写山ロープウェイセット券を利用すると便利です。バスとロープウェイがセットのチケットで、料金が1割程度リーズナブルになります。その都度、切符を購入する手間も省けるので助かりますね。

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    深まりゆく名刹の秋を堪能できる書寫山圓教寺。
    数々の名作映画のロケ地でもある名刹は、一千年という歴史の重厚さを奏で、紅葉をさらに艶やかに映します。
    3日間のもみじ祭りでの重要文化財特別公開や、ライトアップ、もみじジャズライブも見逃せないイベントです。

    2017年10月 1日時点での情報です。
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