【宍粟の造り酒屋】地元に根づき共に生きる老松酒造地酒物語

旧山崎町山崎地区の西側にあたる西町地区は、酒造りでにぎわった江戸時代の街並みが残されている。通りでひときわ伝統的風格を放つのが、山崎町で最も古い建造物と記録されている

城主に献上する酒を納める木箱が保存されている
兵庫県の中西部に位置する宍粟市の人口は4万人。東京都23区とほぼ同じ659平方キロメートルにわたる面積のほとんどを山林が占める。当然のことながら林業に携わる人々が多い土地柄。「一日働いたら、後は旨い酒をぱぁっと一杯やろう!」という晩酌に欠かせない存在、それが

老松酒造の「

一升瓶のほかに手ごろなサイズの300ミリリットル入りがある。 「瓶ごと燗をして美味しい日本酒が楽しめますよ。」前野専務が一番好きな飲み方だという。 山仕事を終えた

奥播磨かかしの里・岡上氏による善次郎人形が蔵の前で出迎えてくれる

日本酒発祥の地「庭田神社」宍粟市一宮
古酒「善次郎」は、和食に限らずフレンチやイタリアンなどの洋食にもふさわしい華やかさがある。旬の魚にペパーとレモン汁をかけたスペインのバール風料理もぴったりくる。秋が深まれば脂ののった坊勢鯖を酢で軽く締めて、「善次郎」の肴にしたいものだ。チーズとの相性も群を抜いている。冷酒ならブリーチーズやモッツァレッラ、ぬる燗にはコクのあるコンテといったハードチーズをおすすめしたい。

高い天井と太い梁。袋吊りに使われていた。
宍粟市が酒造りに適した立地は言うまでもない。氷ノ山、三室山、後山などの名山から流れ込む揖保川、千種川の豊かな水。海抜150メートルに位置する盆地なので神戸や大阪にくらべ3度から5度くらい低い平均気温。そして日本有数の酒米どころ。これらの揃った自然条件に加え、丹波杜氏の真摯な酒造りへの

酒造見学は通年できるが、仕込みの間の10月から1月は蔵の外からになる。それ以外の時期なら前野専務がわかりやすい解説付きで蔵内を案内してくれる。洗米、

この日は15時から、団体の酒蔵見学が予定されていた。阪神方面からチャーターバスで15人が訪問されるという。老松酒造の主要銘柄が見学者を歓迎して勢ぞろいしていた。和歌山県産完熟南高梅で作られる梅酒や、高知県浅尾で無農薬栽培されたゆずの酒も人気だという。麹を使った発酵商品の開発にも力を注いでいる。酒蔵もろみを試食させてもらった。老松こうじをベースに、ピーマンやニンジンの野菜の旨味が溶け込み、唐辛子のアクセントが効いている。

兵庫県景観形成重要文化財に指定されている主屋は、資料の展示や販売スペースを兼ねたギャラリーに改装が進められている。リノベーションを機に住居部分の座敷と日本庭園が公開される。1枚の板から作られた継ぎ目のない繊細な組子細工、茶道具をモチーフにしためずらしい欄間など歴史の重みを感じられる座敷は、ぜひとも観てみたい。腰を下ろしてくつろげるカフェの計画もあるという。2019年1月末頃の完成予定が楽しみだ。

老松酒造では毎年ゴールデンウィークに、「蔵開き」を開催している。酒蔵見学や無料試飲などで地域の人々をおもてなす。2018年の蔵開きは5月3日から5日まで開かれ、西アフリカ・ギニア共和国のタイコと歌、アルーラの和太鼓、NADIAの応援コンサートなどのステージイベントでにぎわった。

秋になると、
酒蔵store | 老松酒造有限会社 |
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住所place | 兵庫県宍粟市山崎町山崎12 MAP |
定休日event_busy | 日曜日 |
電話番号phone | 0790(62)2345 |
営業時間query_builder | 8:00~17:00 |
HPlink | 公式ホームページ |
駐車場chat | 有(無料) |