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【加東】"兵庫の酒米『山田錦』生産システム"が日本農業遺産に認定!Vol.5|①兵庫県産山田錦の新たな可能性

【加東】
目次

    「酒米の王者」として、不動の存在感を示す兵庫県産山田錦ですが、近年はその品種特性を活かし、洋菓子やパン、純米酢や味噌など、日本酒に限らず、新たな商品開発が進んでいます。

    また、三木市の「道の駅よかわ」では、山田錦デジタルミュージアムやお酒試飲コーナー、山田錦を使ったお菓子やお土産物を販売し、観光産業との連動も注目されています。

    6次産業化や他産業との連携によって、兵庫県産山田錦の可能性が新しい広がりをみせています。

    山田錦を使った洋菓子を手掛ける「株式会社稔樹 -miki-」、オリジナルの商品開発を推進する「道の駅よかわ」を訪問し、その取り組みを取材しました。

    「山田錦バウム」がコンクールで1位を獲得!

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    小麦粉アレルギーを持つ人でも食べることができる山田錦100%の米粉を使用したグルテンフリーの「山田錦バウム」。
    山田錦の特性を生かし、ふんわり、しっとりとした食感を実現しました。


    自社で栽培した山田錦を使い、グルテンフリーのお菓子製造などを手がけている株式会社稔樹 -miki-。
    その代表的な商品「山田錦バウム」が、全国47都道府県から約300種類ものご当地バウムクーヘンが集まる日本最大級のバウムクーヘンイベント、ファイナルクーヘン総選挙で2025年に1位を獲得しました。
    2回目の出品にして、1位の座を射止めた秘訣を伺いに、営業部長の打越稔明さんを訪問しました。

    稔樹の代表を務める田中さんは熟練のパティシエ。
    もともと大阪市内で、米粉を使ったスイーツの製造販売を手掛けていましたが、グルテンがない米粉は、あまり膨らまず、パサつきやボソボソするなど食感に難点があり、なかなか納得がいく商品ができなかったそうです。

    そこで、原料米から自分たちで育てれば打開策が見つかるのではないかと考え、縁あって三木市の農家を訪れたそうです。
    打越さんは「山田錦の名前は聞いたことはありましたが、三木市が日本一の名産地であることは知りませんでした。
    地域の人たちの山田錦に対する思いに触れ、格別なお米であることを実感しました」と当時を振り返ります。

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    山田錦の栽培から米粉加工、洋菓子やパンなどの製造販売と、三木市で6次産業を推進する株式会社稔樹。

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    直接購入したいとの要望が多く、製菓工場に隣接する事務所の一部を販売コーナーに改装しました。


    時はちょうどコロナ禍真っ只中の2020年のこと。
    日本酒需要の低迷を受け、山田錦も余剰分があったため、さっそく試作を作ることに。

    「最初はもう驚くほどの大失敗でした。
    米粉に関しては、あらゆる種類を試してきたので、ここまでの失敗は想定外。
    だんご状になってしまい、成形すらできませんでした」と打越さんは苦笑します。

    原因は山田錦の吸水力の高さ。
    お米の中への吸水が良く、麹菌が菌糸を伸ばしやすい心白の存在は、米粉に加工しても特性が変わらず、他の米粉と同様のレシピでは水分量が不足してしまったからです。

    しかし、この吸水性の高さこそが、パサつきやボソボソするなど、食感の悪さを解消する最大の打開策だったのです。

    「しっかり水分を吸収してくれるので、膨らみやすく、しっとりした食感に仕上がります。
    粘りが少なく、甘みや旨みが濃厚で風味も良い。
    小麦粉の代替品として、山田錦の米粉ほど適したものは他にはないですね」と断言する打越さん。
    さまざまな米粉を扱ってきた経緯があるだけに、その言葉には説得力があります。

    山田錦の特性を生かした生地の配合、材料を入れるタイミングや温度、混ぜ方など試行錯誤を重ね、2021年に山田錦バウムの商品化に成功。
    フィナンシェやマドレーヌ、ガレットなど、焼き菓子に加え、2025年5月からは1ヶ月に1日「山田錦 米粉パンの日」を設け、多彩なパンも提供しています。
    さらに、2026年中には店舗を構え、生菓子の販売も始める予定だとか。

    打越さんは最後に「実際に三木市に拠点を移してみると、山田錦が育っていく様子を毎日、目の前で見ることができます。
    安価な小麦粉は行ったこともない海外産だったりするわけで、やっぱり目に見える場所で育った原材料を使う方が自然で、効率の面でもメリットが大きい。
    山田錦と出会えて、本当に良かったと思っています」と語ってくれました。

    「山田錦の米粉なら、小麦粉でできるすべての商品ができる」と続々と新商品の開発を進める株式会社稔樹 -miki-。
    次は、どんなおいしいものを作ってくれるのか、期待が膨らみます。

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    フィナンシェやマドレーヌ、ガレット、クッキー、カップケーキなど、多彩な焼き菓子が並んでいます。
    アソートやギフト用のセットもあり、お土産としても喜ばれそうです。

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    山田錦の米粉を使ったグルテンフリーのパンも大好評!
    写真のカンパーニュは、トースターでこんがり焼いて食べるのがおすすめとか。
    ほか、ハード系のプチブールやベーコンパン、食パンのキューブパン、ピザパンなどを提供。

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    お話をしていただいた株式会社稔樹 -miki-の営業部長、打越稔明さん。

    社名 株式会社稔樹 -miki-
    住所 三木市別所町東這田8-1 MAP
    定休日 月曜日
    電話番号 0794-88-8351
    営業時間 10:00~17:00
    駐車場
    アクセス 三木小野IC 車6分
    HP 株式会社稔樹 -miki-【公式HP】
    株式会社稔樹 -miki-【公式Instagram】

    山田錦の加工品が満載の「道の駅よかわ」

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    山田錦のデジタルミュージアム、お酒の試飲コーナー、山田錦を使ったお酒やお菓子やお土産もの、新鮮な地元野菜の直売所からなる「山田錦の館」。
    温泉施設「吉川温泉よかたん」など、三木市の自然と食文化を五感で楽しむことができる「道の駅よかわ」。


    「道の駅よかわ」は、2025年4月22日に兵庫県内36駅目の道の駅としてオープンしました。

    山田錦を使った日本酒や地域で採れた農産物などの直売所と、温泉施設「吉川温泉よかたん」からなる複合施設「山田錦の郷」をリニューアルし、広さ1万7,995平方メートル、駐車場は236台分を整備。
    情報提供と休憩が可能な駅舎や授乳室、トイレなどを新設し、地域活性化に貢献する新名所として人気のスポットです。

    「道の駅よかわ」が位置する三木市吉川町は、兵庫県産山田錦の中でもとりわけ品質が高い名産地。
    「山田錦の館」には、山田錦デジタルミュージアム、お酒の試飲コーナー「よかわ酒蔵通り」、100種類以上の日本酒の販売コーナーが備わり、山田錦を学んで、味わってと、その魅力をたっぷりと満喫することができます。

    3月中旬には新しいレストランがオープン予定とのこと。
    どんなメニューが登場するのか、楽しみです。

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    お酒の販売コーナーでは、兵庫県の酒蔵をはじめ、全国約30の酒蔵から仕入れた100種類以上のお酒をラインナップ。
    もちろん、兵庫県産の山田錦を使った日本酒がメインです。

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    兵庫県の酒蔵をはじめ、さまざまな地域のお酒30銘柄の飲み比べができるお酒試飲コーナー「酒蔵通り」。
    会計で試飲チケット1枚500円を購入すると、好きな3銘柄を試飲することができます。


    コロナ禍の影響による日本酒需要の低迷を受け、三木市の吉川町商工会は山田錦を100%使った純米酢「吉川」を開発。
    産地主導型の6次産業化や官民共同型など、多彩なプロジェクトの登場によって、兵庫県産山田錦の可能性は広がりをみせています。

    「道の駅よかわ」の特産品の販売コーナーは、そんな山田錦を使った多種多様な商品の充実度は国内随一。
    前述の「山田錦バウム」をはじめ、洋菓子やパン、和菓子に餅、味噌やお酢などの発酵食品から、ローションやパックなどのコスメまで。
    それぞれに、山田錦の特性を生かしたアイテムをラインナップしています。

    中でもおすすめしたいのは、「道の駅よかわ」のオリジナル商品。
    ここでしか買えない希少価値が高いものも多いので、ぜひチェックしてみてください。

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    キングブレッド 山田錦米麹みそ入 食パン。

    山田錦を使った白みそを練り込んだ食パン。
    妥協せずに味や食感を追求した力作ゆえ、「酒米の王者」山田錦にちなんで「キングブレッド」と名付けられました。
    米麹の旨味が口いっぱいに広がる逸品に仕上がっています。
    米麹と味噌、そしてパンと三段階の発酵が生み出した旨味をまずはそのまま生で、そしてトーストして香ばしい香りとともに味わって。

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    吉川美人酢(よかわびーなす)。

    酒米の王様「山田錦」の名産地、吉川町の米を100%使用した、まろやかな旨味が魅力の「吉川美人酢(よかわびーなす)」。
    ブルーベリー果汁をプラスしているからジュースや炭酸水に少し加えると、フルーティーなビネガードリンクに。
    サラダのドレッシングや酢の物など、加熱せずそのまま使うと、山田錦ならではの甘みと深みが最も感じられますよ。

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    黒大豆入り山田錦味噌と白大豆入り黄金味噌。

    保存料を一切使用しない完全手作りのこだわりの味噌です。
    黒大豆の独特の香りと深いコクが好きなら左の「黒大豆入り山田錦味噌」。
    白大豆の持つ優しい甘みと味わい深さを楽しみたいなら右の「白大豆入り黄金味噌」がおすすめ。
    どちらも山田錦の米麹を使っています。

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    山田錦味噌キャラメルポップコーン。

    山田錦を使用した吟醸白みそを使った「山田錦味噌キャラメルポップコーン」。
    吉川町産の山田錦麹の吟醸白みそが加わり独特の塩味や旨味が、キャラメルの濃厚な甘さと組み合わさって不思議とクセになる甘じょっぱい味わい。

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    よかわ酒どら焼き。

    吉川町産山田錦を原料とした日本酒と酒粕を生地に練り込んでおり、袋を開けた瞬間にふわっと広がるお酒の芳醇な香りが魅力。
    酒どころならではのスイーツをお土産に。

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    山田錦の里 酒きんつば。

    厳選された粒あんの甘さを、お酒の風味がキリッと引き立てる大人の味わい。
    山田錦を使った日本酒をあんこに使っているから、口に含むとほのかにお酒の香りが立って美味。
    厳選されたあんことの相性もばっちりです。

    施設名 道の駅よかわ
    住所 三木市吉川町吉安222 MAP
    定休日 月曜日(祝日の場合は翌火曜日)
    電話番号 0794-76-2401
    営業時間 山田錦の館 9:30~18:00
    吉川温泉よかたん 10:00~22:00
    足湯コーナー 10:00~18:00
    駐車場 普通車222台・身障者専用5台・大型車9台
    アクセス 吉川IC 車4分
    HP 道の駅よかわ【公式HP】
    道の駅よかわ【公式Instagram】

    問い合わせ先 北播磨県民局 加東農林振興事務所
    住所 加東市社1075-2 MAP
    電話番号 0795-42-9422(平日9:00〜17:00)
    アクセス JR社町駅 車10分
    HP 北播磨県民局 加東農林振興事務所【公式HP】
    その他 お問い合わせの際は「まるはりorみたい」を見た。とお伝えいただくとスムーズです。
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    【三木】"兵庫の酒米『山田錦』生産システム"が日本農業遺産に認定!Vol.5|②熟成古酒で世界的評価を得る「稲見酒造」

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    2026年2月25日時点での情報です。
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