特集 Featured

【加東】"兵庫の酒米「山田錦」生産システム"が日本農業遺産に認定!①日本農業遺産って何?

【加東】
目次

    2024年12月、日本の「伝統的酒造り」がユネスコ無形文化遺産に登録されたことをご存知ですか?

    日本酒は、その香りのよさや繊細な味わいから、海外で人気が沸騰し、現在は世界的な「SAKEブーム」。

    そして、日本酒を醸造する際の主原料である酒米。
    その王者と呼ばれる「山田錦」にも注目が集まっています。

    実は、兵庫県産の農作物の中で、最も生産量が多いのが米。
    特に、全国の酒造家から絶大な人気を誇る山田錦は、全国生産量の約6割を占め、兵庫県を代表する特産物となっています。

    そんな山田錦の生産技術や歴史、取り組みなどが評価され、兵庫県北播磨・六甲山北部地域における"兵庫の酒米「山田錦」生産システム"が、2025年1月に栄えある日本農業遺産に認定されました!

    でも、そもそも日本農業遺産ってどんな制度?
    具体的にどこが評価されて認定に至ったの?
    山田錦って、いつ頃から栽培されていた?など。

    今回は"兵庫の酒米「山田錦」生産システム"の日本農業遺産に認定について、徹底解説!
    山田錦の魅力をシリーズでお届けします。

    日本農業遺産って何?

    加工済_2503_兵庫県産山田錦01_02.jpg

    日本農業遺産は2025年1月現在、28地域が認定されています。


    「㊗︎山田錦が日本農業遺産に認定!」というニュースを聞いて、「日本農業遺産って、ユネスコ世界遺産の農業版?」と思った方も多いのでは。
    実は、日本農業遺産は農林水産省が2016年(平成28年)に創設した制度。

    2025年1月末時点で28の地域が認定されていますが、意外と知られていないのも確か。
    そこで、最初は日本農業遺産について、学んでいきましょう。

    まず、日本農業遺産に先立ち、国際連合食糧農業機関(FAO)が、2002年(平成14年)に世界農業遺産というプロジェクトを開始しました。

    これは、社会や環境の変化に適応して、何世代も受け継がれてきた伝統的な農法。
    その土地独自の生き物との共生が保たれた土地利用のシステム。
    それらから育まれた文化や風景などを大切に守り、次世代に引き継ぐことを目的に設立されました。

    そして、日本初の世界農業遺産に認定されたのは、「トキと共生する佐渡の里山」。
    特別天然記念物のトキや、トキの餌となる生物や生態系に配慮した「生きものを育む農法」、自然と共生した農業を行っていることが評価され、2011年(平成23年)6月に新潟県佐渡地域が初認定を獲得しました。

    ほか、和歌山県の「みなべ・田辺の梅システム」や兵庫県の「人の牛が共生する美方地域の伝統的但馬牛飼育システム」など、2025年1月末時点で15の地域が世界農業遺産に認定されています。

    持続可能な農林水産業を次世代に残す取り組み

    世界農業遺産は当初、開発途上国を対象として推進された事業だったため、自ずと認定基準も開発途上国の現状を重視したものでした。

    海に囲まれた日本は、山や川などの豊かな自然に恵まれ、古くから自然と共生する持続可能な農林水産業が多くの地域で営まれてきました。

    私たちにとって重要な、それら伝統的な農林水産業を次世代に残すためには、開発途上国を対象とした世界農業遺産だけでは十分とは言えません。
    そこで、日本の未来にとって大切な取り組みとして、日本独自の認定システムづくりがスタートしました。

    そのような経緯から、日本農業遺産は創設され、認定基準は以下の8つに定められました。

    1.地域コミュニティーの食糧供給や暮らしへの貢献
    2.生物多様性の維持
    3.伝統的に受け継がれてきた知識や技術
    4.地域を特徴付ける文化や慣習
    5.美しいランドスケープやシースケープ
    6.災害時に対する回復力
    7.地域住民に限らず、町内会や自治会など多様な主体の参画
    8.6次産業化など、地域を活性させるシステム

    上から5つは世界農業遺産と同様で、6〜8の3つは日本独自の基準。
    計8つの認定基準と保全計画に基づいて、農林水産大臣が認可します。

    一口に伝統的と言っても、日本農業遺産の認定基準はおおむね100年以上。
    環境にやさしい持続可能なシステムや災害時の強靭性など、「遺産」というだけあって、認定には高いハードルが設けられています。

    "兵庫の酒米「山田錦」生産システム"も、2024年6月に登録申請を行い、8月に一次審査(書類審査)を通過。

    10月の現地調査では、三木市の産地や営農組合、加西市の蔵、加東市の種子生産組合などを巡った後、県立農林水産技術総合センター酒米試験地で質疑が行われました。

    数々のハードルをクリアして、はれて2025年1月に認定が決定!
    2025年2月には認定授与式が行われました。

    加工済_2503_兵庫県産山田錦02_01.jpg
    【加東】"兵庫の酒米「山田錦」生産システム"が日本農業遺産に認定!②

    詳細情報はこちら

    問い合わせ先 北播磨県民局 加東農林振興事務所
    住所 加東市社1075-2 MAP
    電話番号 0795-42-9422(平日9:00〜17:00)
    アクセス JR社町駅 車10分
    HP 北播磨県民局 加東農林振興事務所【公式HP】
    その他 お問い合わせ・ご予約の際は「まるはりor姫路みたい」を見た。とお伝えいただくとスムーズです。
    2025年2月25日時点での情報です。
    この記事は面白かったですか? (評価ボタンをクリックするとポイントがたまります。※要ログイン)
    みたいにゃ よかった顔
    よかった
    80%
    1
    みたいにゃ ふつう顔
    ふつう
    1%
    1
    みたいにゃ いまいち顔
    いまいち
    2%
    1