【幸せをはこぶ魔法のハーブ】香寺ハーブ・ガーデン福岡讓一さんのおはなし

【幸せをはこぶ魔法のハーブ】香寺ハーブ・ガーデン福岡讓一さんのおはなし
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    香寺ハーブ・ガーデン代表取締役福岡氏のハーブのお話しを聴いてきました。場所は5月11日から27日まで特別ハーブ展が開催されている手柄山温水植物園です。2018年5月13日(日)は、あいにくの雨模様。西日本に横たわる停滞前線の影響でときおり激しく降りしきる雨が、一日中姫路市を洗いました。それでも雨足をおして集まった受講生は25人。20代から80代と幅広い年齢層です。

    レストハウス「花の家」のイートインコーナーに講習会場が設けられていました。レストハウスでは、四季の草花や園芸グッズ、展示会商品などが展示販売されます。この日は香寺ハーブ・ガーデンのアロマオイルやバームのかわいいボトルが並んでいました。イートインコーナーでは軽食やコーヒー、紅茶などがいただけます。アイアンファニチャーのバルコニーは、晴れた日なら特等席になるでしょう。常備されている書籍を閲覧できるソファ席もあります。植物園観覧のあと、ほっと腰をおろすのによさそうです。

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    福岡氏が香寺町矢田部に香寺ハーブ・ガーデンを開園したのは1984年。氏が26歳のときでした。当時の日本のハーブ農園は北海道、千葉、そして香寺の三箇所だけでした。今でこそ化粧品や精油、ハーブティやハーブを使った食品、そして観光ハーブ農園など身近な存在になりましたが、ハーブそのものの知名度が低い時代でした。

    氏はハーブの栽培方法を模索するために、世界を放浪したといいます。しかし、ハーブは原産地のヨーロッパでも過去に追いやられていました。南フランスのある田舎で行きづまった福岡氏に、手をさしのべてくれた村人がいました。

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    家に招かれハーブティが出されます。すっかり弱った身体に希望がよみがえりました。いま手の中にあるハーブこそ5年の歳月を費やし捜し求めてきたものでした。「茶殻はお風呂に入れるといいのよ。」と、その家の小さな女の子にすすめられます。ハーブの茶殻風呂は、こころの隅々まで癒してくれたそうです。翌朝、お風呂に使った茶殻は畑にもどされました。
    1980年代の日本は、高度成長を経てバブルへ突入した時期です。消費拡大による経済成長に沸いていました。私たちの暮らしも物を消費することが美徳のように考えられていたのです。
    自然のサイクルにしたがって生きるというすごく当たり前でありながら、忘れ去られ失われつつある真理がそこにありました。感動が全身を震わせ突き抜けた瞬間でした。

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    レストハウスでの座学のあとは、ハーブ展示会場へ移動します。実際のハーブを観察しながら、効用や利用方法を具体的に学びます。 ミントは消化を助けたり、緊張をやわらげ気分を落ちつかせたりするというハーブです。虫除けとして用いられることもあるようです。天然由来なので小さな子供やペットにも安心して使えます。我が家ではワン&ニャンズを含み家族の愛用アイテムです。個人的な感想ですが、害虫忌避の力はあるようです。香料としてもよく知られるペーパーミント、スペアミントをはじめアップルミント、キャットミント、モロッカンミントなど種類が豊富です。
    その中でレモンバームを使った料理方法を福岡氏が教えてくださいました。開いた鶏胸肉にレモンバームの生葉を挟んで焼くだけ。レモンバームの香りいっぱいのヘルシーデッシュができあがります。レモンバームはフラボノイドというポリフェノールが含まれます。ポリフェノールは抗酸化作用でしられる若返り植物成分ですね。またビタミンCも豊富で、抗ストレスや免疫力強化、美肌効果が期待できそうです。ハーブというとお茶やアロマオイルが頭に浮かびますが、食べるハーブにも注目しましょう。

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    「健康と美は食べることから」というのが香寺ハーブ・ガーデンの目指すところだといいます。且緩々は地元食材を駆使した香寺ハーブ・ガーデン直営レストラン。廃園となった夢前町山之内保育所に立地し、廃校となった山之内小学校グランドを駐車場に利用しています。

    夢前町山之内は東西4キロメートル、南北8キロメートル。人口710人のうち305人が65歳以上と限界集落化が危惧されている地域です。高齢化がすすむ中、週3回午後2時間だけ開業する診療所が1軒あるだけ。福岡氏は山之内に地産食品を中心にしたレストランを創ろうと立ち上がりました。過疎の集落にレストランを作るなんて無謀すぎる、辺ぴな土地柄上手くいくはずはないなどとさんざん反対されたそうです。
    蓋を開けると食べて病気を予防する養生食は人から人へと伝わり、ランチだけで年間3万人以上の人々が足を運びます。

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    カモミールは抗炎効果があるとされ、気管支の炎症や花粉症、鼻づまりの症状が軽減するようです。寝るまえの一杯のカモミールティはこころを落ち着かせ安眠につながるという人もいます。いっしょに栽培する植物の病害虫を防いだり成長を促進させたりするので、コンパニオンプランツとして使われます。おだやかな効き目からマザーズハーブという別名で呼ばれ子供の胃腸を整える薬草として使われてきました。

    姫路市夢前町山之内のカモミール畑は、収穫の真っ盛りになりました。毎年開催されるカモミール収穫イベントには地元の人ばかりでなく遠くは県外から多くの人たちが参加します。カモミールの花摘みは誰でもボランティアとして体験できます。興味のある方は、香寺ハーブ・ガーデンに問い合わせてみましょう。カモミールのりんごのような香りと豊かな自然から元気をもらえそうですね。

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    自然から学んだ知恵を科学的に証明するのが福岡氏のライフワーク。
    植物由来の不凍たんぱく質の抽出技術の研究開発と実用化は、その賜物といえるでしょう。
    食品添加物にかわる安全な物質として食品業界から注目されています。
    今後は再生医療分野をはじめとする多方面へ用途が拡大すると期待されています。

    姫路市立手柄山温室植物園ハーブ展のおしらせは こちらから

    店名 株式会社 香寺ハーブ・ガーデン
    住所 兵庫県姫路市香寺町矢田部689-1 MAP
    定休日 年末年始とお盆(夏季休業)
    電話番号 079-232-7316
    営業時間 9:00~17:00
    2018年5月24日時点での情報です。
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