特集 Featured

【姫路】「アイスは別腹」 岡本直也さん 拓也さんインタビュー SNSでも話題に!姫路屈指の人気店になった秘密に迫る

【姫路】「アイスは別腹」 岡本直也さん 拓也さんインタビュー SNSでも話題に!姫路屈指の人気店になった秘密に迫る
目次

    「姫路で行列ができるデザートショップといえば?」

    そう問われたら、おそらく大半の人がこう即答します。 「アイスは別腹!」

    名前からしてユニークなこのお店、オープンしたのはコロナ禍真っただ中の2021年11月。

    映えるアイスやパフェがSNSで話題を呼び、今や地元の人はもちろん、観光客も足を運ぶ人気店となりました。

    実は、オーナーの岡本 直也さんは当時、現役の大学生。

    双子の兄、拓也さんと共に起業したことでも注目を集めています。

    お二人のプロフィール

    23Mplus1_アイスは別腹_1915.jpg

    弟の直也さん[アイスは別腹 代表] 

    姫路市立琴丘高等学校卒業後、食に関する幅広い知識やスキルを身につけようと大手前大学 健康栄養学部管理栄養学科に進学。
    コロナ禍に見舞われた在学中に飲食店経営を決意し、淡路島にカフェをオープン。
    その時の経験を活かし、地元・姫路市に「アイスは別腹」を出店。

    23Mplus1_アイスは別腹_1893.jpg

    兄の拓也さん[アイスは別腹 副代表]

    兵庫県立姫路東高等学校卒業後、兵庫県立大学 工学部機械・材料工学科へ。
    在学中に中学生向けの個別指導塾を開業する一方、動画制作やホームページ制作なども行い、地元のグルメを紹介するInstagram「ヒメグル」を立ち上げる。
    現在、フォロワー数は29,000に。

    コロナ禍という逆風の中、なぜ出店を?

    23Mplus1_アイスは別腹_0509.jpg

    直也さん(以下、直也):新型コロナウィルスが蔓延し始めたのは、僕らが大学2回生の頃。
    学校は休校になるし、アルバイト先のお店も休業になってしまった...で、一人で考える時間がすごく増えたんです。

    以前から将来は飲食店を開きたいと思っていたので、この空白の時間を利用して起業できないかと色々調べ始めました。
    当時、僕は大阪に住んでいたんだけど、再開された授業も全てオンラインになって、別場所に居ても受けることができる。
    だったら、まず淡路島で店を出してみよう!と。
    スイーツからランチまで幅広い料理を提供するカフェを開いたんです。

    知識やコネも無い、ゼロからの状態で、店の内装からメニューまで全部自分で考えました。
    オープンはしたものの、コロナ禍の影響は深刻で、最初は全くお客さんが来なかった。
    でもメニュー内容とか、あれこれ改善していくうちに少しずつ人が来てくれるようになって、夏という季節にもマッチしたのか、アイスが評判になったんです。
    「アイスならイケる(売れる)!」と確信して、次は姫路に出店しようと決意しました。

    直也さんが拓也さんに「一緒にやろう」と。

    拓也さん(以下、拓也):その頃、僕は姫路で中学生を対象とした個別指導の塾を経営していました。
    小さい頃から経営者だった父に憧れていて、自分も社長になるのが夢だったので。
    塾講師のアルバイトをしていた経験を活かし、自分なら既存の塾よりも安い料金で指導できると、友達とシェアハウスしながら一軒家の一室で塾を開いた。
    塾と並行して、動画編集やホームページ制作の仕事もしていました。

    弟から「姫路で店を開くから一緒にやらへんか」と言われて、僕自身は店舗運営に関しては素人だけど、それ以外のこと...例えばサイトを作ったり、SNSで集客したり、そういう面からサポートできるかなと。
    それで、協力すると返事をしたんです。

    双子の兄弟で経営する、一番の強みは。

    直也:双子で経営って、あまり前例も無いから話題にはなるかなと。
    でも、それ以上に、二人で力を合わせれば、絶対成功できるという自信がありました。
    こう見えて、僕らはお互いのスキルを誰よりもリスペクトしている。
    だから、何があっても、二人なら乗り越えて行けると確信しています。
    反面、一緒にいると必要以上に争ってしまうのも分かっていたんです。
    だから、二人で店を出すと父に打ち明けた時も「とにかく、喧嘩はするな!」って(笑)。
    どんなに仲が良くても、相手が他人ならばどこか遠慮するじゃないですか。
    ところが、身内、それも双子兄弟となると容赦ない。
    ひとつメニューを決めるのでも、全く気を使わずにバンバン言い合って、 「そんなら、 もうやらん!!」となることも。
    でも、だからこそ最高に凄いものができるんだけど。実は、この店名を決める時もかなり揉めました(笑)。

    23Mplus1_アイスは別腹_0585.jpg

    ネーミングを巡って兄弟が衝突?

    23Mplus1_アイスは別腹_0450.jpg

    拓也:アイスやパフェの店だったら、カタカナとかの可愛い名前の方がウケると思っていたんです。
    だから、店の名前は『アイスは別腹』にすると聞いた時、「ふざけんな!」と。
    全然おしゃれじゃないし、覚えにくいし...。
    「そんな店名にするなら、一緒にはできん」とまで言ってしまった。

    直也:僕としては、店名だけは譲れなかった。
    直感で閃いたものだったんだけど、ほかにないからこそインパクトがあるし、印象にも残る。
    『アイスは別腹』にすれば絶対成功すると兄を口説き倒しました。

    23Mplus1_アイスは別腹_0575.jpg

    結果、『アイスは別腹』は大成功!

    直也:オープンは2021年11月。
    振り返ってみると予想以上に成功したんじゃないかなと思います。
    コロナ禍だったからテイクアウトできるものを考えて提供した、それがお客さんのニーズに合っていたし、コンビニ感覚でさっと立ち寄れる、立地的な良さもありました。
    もちろん、 『アイスは別腹』と言う店名も勝因の一つですよね。

    23Mplus1_アイスは別腹_0401.jpg

    拓也:僕は、弟が淡路島で最初に店を開いたタイミングで、姫路のグルメを紹介する『ヒメグル』をインスタグラムでスタートさせました。
    それは、弟が「いつか姫路市でも店を持ちたい」と言っていたから。
    先回りして、地元のグルメファンを集め、アイスは別腹の開店に合わせてヒメグルでも情報流したんです。
    今、ヒメグルのフォロワーは3万近く。
    ほかにTikTokもやっていて、SNSを使った戦略も効果的だったと思います。

    メニュー開発では地元の食材にもこだわっているとか。

    拓也:僕自身、料理は食べるのも作るのも好きで、あちこちのお店に行って映えるグルメをリサーチしていました。
    そんな中、 「どうせなら姫路ならではのものを作ったら」と言われたことがあった。
    それを弟に話したら、速攻で地元の和菓子屋さんと掛け合って、姫路城ソフトができたんです。

    23Mplus1_アイスは別腹_貰インスタ2.jpg

    人気No. 1の姫路城ソフト

    直也 姫路城ソフトは一番の人気商品で、お城の形をした最中を載せているのがポイントです。また、宇治抹茶や黒蜜きなこには、食感を良くするために、もち米で作ってもらった最中を使用しています。パフェで使用するフルーツ類も地元の市場から。ささやかだけど、地元産業の盛り上げに繋がればと思っています。

    23Mplus1_アイスは別腹_貰インスタ3.jpg

    アルコール入りの大人の深酔いパフェ

    大阪で流行っていた夜パフェ文化を姫路でも広めたいという思いがあって、アルコール入りの大人の深酔いパフェとか、食事やお酒の後にオススメのメニューも作りました。
    四六時中というのは大げさだけど、起きている間はほとんど新しいメニューや店のことを考えていますね。

    23Mplus1_アイスは別腹_0437.jpg

    兄弟として、また仕事仲間としてお互いの人物評を

    拓也:ひと言で言うと、直也はアツい男(笑)。
    これをやる!と決めて行動する時の熱意や情熱は、弟ながらすごいなと。
    熱量がありすぎて、すぐにカッとなるのは欠点なんだけど、でも、ここまで成功できたのも熱意があったからだと思います

    直也:逆に、兄はクールすぎるんですよ。
    どんな状況でも冷静に判断できるのは、確かに見習わなきゃいないんだけど。
    ただ、感情が無さすぎて、人との付き合いとか、対応の仕方とか、もう少し情の部分があっても良いんちゃう?と思うこともありますね。

    二人それぞれが描く、これからの夢は?

    23Mplus1_アイスは別腹_0551.jpg

    直也:僕には夢が三つあるんです。まずは色々な飲食店を作ること。実際、アイスは別腹を出してから、カヌレの店やハンバーガーの店も出店しました。今後は別腹ブランドとして、もっと幅広く展開していくつもりです。二つ目は、アイスは別腹で全国制覇すること4月には大阪の中崎町に出店して、フランチャイズ展開していくことも決まっています。三つ目は、管理栄養士のスキルを活かした飲食店を作ること。僕自身たくさん試食するせいか、 一時6kgも太ってしまった。ようやく元に戻したんだけど、美味しい食事を提供するだけでなく、健康や栄養の相談もできるお店があったら...と痛感しました。ゆくゆくは、そういうお店で親孝行もしたいと考えています。

    拓也:僕も三つ。ひとつ目は岡本拓也と検索したら一番上に出てくるようになること。
    二つ目は姫路で一番有名な双子になること...って、この前、弟に伝えたら「いや違う、日本一やろ」と言われて(笑) 。
    今は日本一有名な双子になることが目標です。
    三つ目は、姫路をもっと面白い街にすること。
    実は僕、あまり地元に愛着が持てなくて、ずっと出て行きたいと思っていたんです。
    けど、弟とアイスは別腹を始めてから、考えが変わった。
    どうせならグルメを通じて姫路をもっと盛り上げて、素敵な街にしてから出て行こうって。
    僕が始めたヒメグルを活用すれば、食のイベントを定期的に開催したり、お祭り的なことをするのも可能なはず。
    そうやって、地元に貢献していけたら良いですよね。

    23Mplus1_アイスは別腹_貰インスタ1.jpg

    23Mplus1_アイスは別腹_0477.jpg

    最後に、読者の皆さんへメッセージを。

    拓也:昨年の夏には『クレープは別腹』という店を出しました。
    疲れた時には僕らの店へ、甘いものを食べに来てくださいね

    直也:店舗経営の他に、様々な飲食店のコンサルティングもやっています。これからも姫路を盛り上げていきますので、期待してください

    23Mplus1_アイスは別腹_0564.jpg

    【撮影/宇夫方伸一】

    【インタビュー・文/中村美夕紀】

    まるはりプラスvol.01は2023年4月28日(金)より絶賛発売中です! まるはり初のブックインブックつき!

    播磨地域(赤穂・姫路・高砂・加古川・明石・神戸・岡山など)の各書店やコンビニエンスストア、またはインターネットでもお買い求めいただけます。

    店名 アイスは別腹
    住所 姫路市本町68 MAP
    定休日 月曜日
    営業時間 16:00~23:00
    土・日曜日13:00~23:00
    HP アイスは別腹【公式Instagram】
    その他 お問い合わせ・ご予約の際は「姫路みたい」を見た。とお伝えいただくとスムーズです。
    2023年5月30日時点での情報です。
    この記事は面白かったですか? (評価ボタンをクリックするとポイントがたまります。※要ログイン)
    みたいにゃ よかった顔
    よかった
    80%
    1
    みたいにゃ ふつう顔
    ふつう
    1%
    1
    みたいにゃ いまいち顔
    いまいち
    2%
    1