恋しい恋しい「うどん屋」麦さま、あなたのうどんすきが食べたいです。

姫路市に彗星のごとく現れたうどん屋麦ばく。イベントではひっぱりだこの上、売り切れ完売は当たり前になっています。冬季の夜だけメニューのうどんすきは、ぜひとも食べたいと姫路みたい編集部4人の覚悟は決まり、野里商店街のうどん屋ばくを訪れました。

予約から3週間、ようやくたどり着いた念願のバク「うどんすき」。「今夜は麦♡」「今夜は麦♪」と、朝からソワソワする私たちを、てんこ盛りの大皿が出迎えてくれました。 セット内容は、手打ちと五島の2種類のうどん、野菜、キノコ、豆腐、鶏肉、豚肉。まずは、出汁に白菜、キャベツ、ネギ、えのきだけ、しいたけを投入。続いて鶏肉、豚ロース肉、豆腐などの具財すべて入れ終えました。鶏肉は下茹されているのでいりこベースの出汁とけんかせず、野菜の甘味とキノコの旨味がさらに出汁のよさを引き立てています。

出汁の主役「いりこ」は、香川県に浮かぶ伊吹島で陸揚げ、加工される「伊吹いりこ」と調べがつきました。飛びっきり新鮮なカタクチイワシだけを選別した伊吹いりこは、うどんの本場香川県で最上級品とされています。つまりうどん出汁としては、日本一ということですね。丁寧に頭と内臓を取り除いた伊吹いりこをベースに昆布やアゴ(とびうお)のほか数種類をブレンドし、強く主張するわけではないのに忘れられないバクの出汁が出来上がります。

役者も揃ったところで、いよいよ真打のうどんが登場。バクさんの手打ちうどんからいただきます。適度なコシにふんわりとした弾力のある麺で、小麦粉独自の甘味があります。小麦粉の産地や種類はバクさんの感性で選別され、ブレンドにも職人のこだわりがありますが、レシピは門外不出。店主の脳のひだにレコードされるのみです。出汁や醤油をかけないで生のまま食べると、うどんの風味がよくわかります。しっかりして存在感があるのに、ちっとも偉ぶらないうどんです。

五島うどんの順番がまわってきました。五島うどんの歴史は古く、遣唐使の時代に大陸から伝わったといわれています。香川県の讃岐うどん、秋田県の稲庭うどんと並び日本三大うどんに数えられています。うどん屋になろう!決め全国をめぐる旅の果てに出会ったという五島うどん。惚れ込んで居候と野宿をくり返し修行したといいます。なぜ?うどん屋を目指したのかはバクさんの笑顔から推察するしかありません。細目で艶の良い美人麺です。うどんすきでは、出汁にさっとくぐらせて頂きます。
2種類のうどんはお代わり自由。一人前3000円/税込 4人前から

世界遺産姫路城より500メートルほど北東にある旧野里街道は、かつて生野から姫路市内そして飾磨港を結ぶ主要交通路でした。2度にわたる姫路市街地空襲の戦火を免れ、江戸時代から戦前の建物が残されています。野里町家は木格子、駒寄、袖卯建、

うどん屋麦は、鍛冶町に空家として放置されていた町家をリノベーションし誕生しました。野里通りからは、木格子越しにうどんを打つバクさんが見られます。うどんを打つときは、にこにこバクさんから集中力の達人に変身します。間口一間の木製引き戸を開けると、こじんまりしたカウンター。オープンキッチンの店主と会話をかわせるので、人気がある席です。奥に15人から20人程度座れる大振りのテーブルが控えています。

一度は食べたい、そして一度食べたら余韻がいつまでも残り、また食べなくなる禁断のうどん。もしかしたら、バクさんは魔法使いでしょうか? 仮にうどんマジックだとしても、いつまでもかかっていたいと思います。今日も編集室の片隅で、「あ~!バクさんのうどんすき食べたい。」というため息が聞こえます。
店名store | うどん屋 麦(ばく) |
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住所place | 兵庫県姫路市鍛冶町2 MAP |
定休日event_busy | 火曜日 |
電話番号phone | 079-227-7997 |
営業時間query_builder | 11:30~14:00(L.O.13:30)/18:00~21:00(L.O.20:30) |
駐車場query_builder | 有(無料) |
HP | 公式HP |