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【兵庫】日本一の酒処「灘五郷」!2025年蔵開きの見どころを徹底解説|西宮市・神戸市東灘区

【兵庫】日本一の酒処「灘五郷」!2025年蔵開きの見どころを徹底解説|西宮市・神戸市東灘区
目次

    2024年12月5日、ユネスコ(国連教育科学文化機関)無形文化遺産に登録が決定した日本の「伝統的酒造り」。

    「並行複発酵(へいこうふくはっこう)」と呼ばれる、同じ醸造酒のワインやビールと比べて大変難易度の高い製造方法で造られていることや、麹菌を育て活用する、世界に類を見ない方法で仕込まれていることなどが評価のポイントになりました。

    全国の約30%にあたる日本酒が製造される酒造業が盛んな兵庫県の中でも、ナンバーワンの生産量を誇る地域が、神戸市から西宮市の沿岸部にある「灘五郷」。

    国内の清酒の4本に1本はこの地で造られており、約25%のシェアを誇ります。

    室町時代(1336年~1573年)にはすでに酒造が行われていたとの記録があり、伝承的には鎌倉時代の終わり頃(1300年頃)には始まっていたとされる、日本一の酒処の灘五郷は、江戸時代(1603年~1867年)に大きく発展。

    上質な酒を生み出す銘醸地として名声を高めていき、江戸時代後期には江戸で呑まれた酒の約半分を供給したと言われています。

    灘の酒がおいしい要因として有名なのが、西宮市南部の久保町、鞍掛町、石在町及び東町にわたる約500m四方の地域でのみ湧出する「宮水(みやみず)」。

    リンやカルシウム、カリウムなどのミネラルを多く含む中硬水で、ミネラルが麹菌や酵母の栄養分となり、酵素の作用を促すため、日本酒造りに最適な水だと言われています。

    また、県内に酒米の一大産地である北播磨地域があること、六甲山系の急流を利用した水車の導入で精白度と精米量が飛躍したこと、海路を使って早く大量に出荷することができる立地にあったことも発展を後押ししました。

    そして、日本三大杜氏の1つである酒造りの職人集団「丹波杜氏」の存在も、その飛躍に大きく貢献しました。

    今もなお、灘五郷に点在する中小の酒蔵や大手日本酒メーカーにて、年に一度開催されるのが「蔵開き」。

    各酒蔵が新酒の完成を祝って行うイベントで、しぼりたて新酒の有料試飲や販売、酒蔵の一般公開などが行われます。

    ここでは2025年2月~5月に開催される予定の灘五郷の蔵開きの情報をご紹介します。

    2/1(土)大澤本家酒造株式会社「清酒寳娘(たからむすめ)」蔵開き

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    1770年(明和7年)に堺・宿院で創業。

    1954年(昭和29年)に現在の灘・西宮の地に移転した蔵元です。

    創業からの歴史を記した家系図があり、現在の当主は九代目になるそうです。

    阪神淡路大震災の際、灘五郷も大きな被害を受けましたが、同蔵は奇跡的に倒壊を免れ、現在も築70年以上の貴重な木造蔵で醸造し続けています。

    イベント当日は、今年できたての新酒、新酒カスの試飲販売を実施。

    お得な福袋もあるので、お見逃しなく!

    イベント名 寳娘(たからむすめ)蔵開(西宮蔵開2025)
    開催日時 2025年2月1日(土)10:00~15:00
    会場 大澤本家酒造敷地内
    住所 西宮市東町1-13-28 MAP
    主催 大澤本家酒造株式会社
    お問い合わせ先 0798-33-0287
    アクセス 阪神西宮駅 徒歩20分
    HP 大澤本家酒造株式会社【公式HP】

    2/8(土)辰馬(たつうま)本家酒造株式会社「白鹿(はくしか)」蔵開き

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    江戸時代の1662年(寛文2年)に創業した、灘五郷の中でも特に歴史のある蔵元。

    西宮で造られる酒がおいしい理由が宮水にあることが判明するはるか前に、初代辰馬吉左衛門が西宮の邸内に井戸を掘ったところ、その水が清冽甘美であったため、これを用いて酒造りの事業を始めたと伝えられているそうです。

    それから360余年。

    「酒は造るものではなく育てるもの」を信念に、未来につなげていく酒造りを行っている同蔵。

    酒造りの複雑な工程を自動化した設備と手造り蔵を同じ建物の中に備えた蔵「六光蔵(ろっこうぐら)」を完成させ、丹波杜氏が積み重ねてきたかけがえのない技術と、最新のバイオテクノロジーを一体化させ、新酒を育てているそうです。

    2/8(土)のイベントは、「ええのん、できたよ」を合言葉に、各蔵元自慢の日本酒を楽しめるイベント「西宮蔵開 2025」に参加する西宮市内5社の蔵元(寳娘・德若・日本盛・大関・白鹿)のひとつとして開催されます。

    イベント当日は、蔵開き限定酒の有料試飲・販売や数量限定で福袋の販売を実施。

    酒造り唄披露、バンド演奏、杉玉つくりなどの催し物や飲食ブースも予定されています。

    イベント名 白鹿(はくしか)蔵開(西宮蔵開2025)
    開催日時 2025年2月8日(土)10:00~15:00
    会場 辰馬本家酒造株式会社本社敷地内
    住所 西宮市建石町2-10 MAP
    主催 辰馬本家酒造株式会社
    お問い合わせ先 customer@hakushika.co.jp
    アクセス 阪神西宮駅 徒歩15分
    HP 辰馬本家酒造株式会社【公式HP】

    2/8(土)菊正宗蔵開き2025

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    通常の倍以上の時間と労力がかかり技術と経験も必要とされるため、現在では全国に千数百の蔵がある中で数蔵しか行われなくなった、伝統的な「生酛造り」を伝承している「菊正宗酒造株式会社」。

    蔵開き当日は、杜氏による酒造りが今なお行われている「嘉宝蔵(かほうぐら)」の構内を一般開放。

    丹波杜氏伝承の技・生酛造りで醸造した季節限定「生酛しぼりたて新酒」の無料試飲や、「百黙3種飲みくらべセット」、「数量限定 桝入り樽酒」などの有料試飲を実施します。

    温かい「粕汁」や「湯豆腐」、「唐揚げ」「焼き鳥」「ポテトフライ」などの屋台が並び、大起水産の「さばきたて!生本まぐろ」の販売も。

    「菊栄蔵」や「樽酒マイスターファクトリー」見学会もあり、屋外ステージでは酒樽に銘柄を刷り込んだ「こも」を巻く作業の実演や酒造り唄の披露が行われます。

    また、今年は神戸市をホームタウンとするプロサッカークラブ「ヴィッセル神戸」やプロバスケットボールチーム「神戸ストークス」とのコラボ企画が予定されており、こちらも楽しみですね。

    イベント名 菊正宗蔵開き2025
    開催日時 2025年2月8日(土)10:00~15:00
    会場 菊正宗「嘉宝蔵」構内および菊正宗酒造記念館
    住所 神戸市東灘区魚崎西町1丁目 MAP
    主催 菊正宗酒造株式会社
    お問合せ先 お客様相談室 078-854-1043(9:00~16:30)
    ※定休日:土・日曜日、祝日
    ※当日 070-2298-0378
    アクセス 六甲ライナー南魚崎駅 徒歩2分
    公式HP 菊正宗酒造株式会社【公式HP】

    2/15(土)万代大澤醸造株式会社「德若」蔵開き

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    灘五郷の一つである西宮郷において、丁寧に手造りされたお酒「清酒徳若」。

    その大半が蔵元で直売される、まさに蔵人しか飲めないお酒です。

    「徳若」の名前の由来は、「徳若にご万歳」というめでたい唄の一節から。

    いつまでも若々しく末永く反映することを願って、名付けられたそうです。

    「原酒」にこだわり、お酒の味や香りを活かすため、無濾過もしくは最小限の濾過にとどめ、搾ったそのままの状態で瓶詰め。

    加水は一切行っていません。

    イベント当日は、新酒の有料試飲・販売や数量限定で福袋の販売などを実施。

    蔵元直売ならではの風味をお楽しみください。

    イベント名 德若蔵開き(西宮蔵開2025)
    開催日時 2025年2月15日(土)10:00~15:00
    会場 万代大澤醸造
    住所 西宮市東町1-13-25 MAP
    主催 万代大澤醸造株式会社
    お問い合わせ先 0798-34-1300
    アクセス 阪神西宮駅 徒歩20分
    HP 清酒徳若(万代大澤醸造株式会社)【公式HP】

    2/22(土)日本盛 新酒蔵開き

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    「日本盛は良いお酒~」のCMでお馴染み。

    大正天皇や昭和天皇の即位式で御用酒を献上した実績も持つ、由緒正しい酒造会社です。

    「もっと、美味しく、美しく。」をスローガンに、米ぬかと日本酒酵母エキスを使った自然派化粧品や健康食品なども手掛けています。

    イベント当日は、蔵元ならではのイベントが盛りだくさん!

    日本酒の有料試飲や毎年人気の福袋の販売も予定されています。

    最新の情報はホームページで発表予定です。

    イベント名 日本盛 新酒蔵開き(西宮蔵開2025)
    開催日時 2025年2月22日(土)11:00~16:00
    会場 日本盛本社工場敷地内及び酒蔵通り煉瓦館
    住所 西宮市用海町4-57 MAP
    主催 日本盛株式会社
    お問い合わせ先 0798-32-2581
    アクセス JR西宮駅 徒歩15分
    HP 日本盛株式会社【公式HP】

    3/1(土)大関 蔵開き2025

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    時代にさきがけて「ワンカップⓇ」を開発し、化粧品や健康食品なども手掛ける、業界のパイオニア的存在「大関株式会社」。

    同社の敷地内にあるアンテナショップ「甘辛の関寿庵」では、ここでしか手に入らない大関蔵元直送の日本酒「しぼりたて生原酒」の量り売り販売を実施。

    また大関の吟醸酒を使用した酒カステラや和菓子なども取り揃え、喫茶コーナーで味わうこともできます。

    イベント当日は、一般公開していない酒蔵見学(有料)を実施。

    数量限定の福袋やイベント限定の蔵出し生原酒などが並び、キッチンカーの本格的なおつまみとともに味わえます。

    酒造り唄保存会や社員による大関バンドのステージも予定されているそうで、こちらも楽しみですね。

    イベント名 大関蔵開き2025(西宮蔵開2025)
    開催日時 2025年3月1日(土)10:00~15:00
    会場 大関株式会社 寿製品庫
    ※会場入り口は南側(臨港線側)になります。
    住所 西宮市今津出在家町4-9 MAP
    主催 大関株式会社
    お問い合わせ先 0798-32-2111(9:00~17:00)
    ※定休日:土・日曜日、祝日
    アクセス 阪神久寿川駅 徒歩10分

    3/15(土)浜福鶴蔵開きの会「浜福鶴」「空蔵」「七つ梅」

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    全国の酒処のなかでも生産量で日本一を誇る灘五郷のうち、「上灘」と呼ばれる酒造りの中核地「魚崎郷」に位置する「浜福鶴」。

    吟醸酒を中心に、小さな仕込みを行う酒蔵です。

    日本酒造りの全工程をガラス越しに見学できる「見学酒蔵」になっていて、普段でも伝統的な日本酒造りの文化について学び、実際の醪(もろみ)の香りと発酵の音を体験することが可能。

    限定生酒の試飲や購入もできるようになっています(10名以上で見学したい場合は要予約)。

    同社が年に一度、新米新酒のお披露目の場として実施しているのが「蔵開きの会」。

    今年は記念すべき20回目の開催となります。

    イベント当日は、限定新米新酒のしぼりたてや鏡割り樽酒の振る舞い、限定酒の有料試飲、利き酒当て大会、灘の酒造り唄保存会による酒造り唄の実演、さらには地元有志による吟醸寄席など、酒蔵ならではの魅力が詰まった企画が多数催されます。

    また、地元の飲食店や食品製造者によるグルメも楽しめるそうですよ。

    3月の桜が咲く時期に開催される華やかなイベントに、ぜひ足を運んでみてくださいね。

    イベント名 浜福鶴蔵開きの会「浜福鶴」「空蔵」「七つ梅」
    開催日時 2025年3月15日(土)10:00~15:00開催予定
    会場 浜福鶴吟醸工房
    住所 神戸市東灘区魚崎南町4-4-6 MAP
    主催 株式会社 小山本家酒造 灘浜福鶴蔵
    お問い合わせ先 078-411-8339(10:00~17:00)
    ※定休日:月曜日(祝日の場合は翌日に振替休業)
    アクセス 阪神魚崎駅 徒歩10分
    HP 株式会社 小山本家酒造 灘浜福鶴蔵【公式HP】

    3/15(土)第13回 沢の鶴 蔵開き

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    1717年に、米屋の副業として酒造りを始めた「沢の鶴株式会社」。

    純米酒にこだわり続けている酒蔵です。

    イベント当日は、大規模リニューアル工事をおこない2019年に新しく生まれ変わった、年間を通じて酒造りが出来る四季醸造蔵「瑞宝蔵(ずいほうぐら)」の紹介のほか、お得な福袋や粕汁の販売など、酒蔵ならではの催しを楽しめます。

    また、有料試飲では蔵開きでしか味わえない限定のお酒を味わうこともできます。

    イベントステージでは、唄を歌いながら酒造りの作業を行う、作業歌である「酒造り唄」なども披露される予定です。

    ※内容は変更になる場合があります。

    イベント名 第13回 沢の鶴 蔵開き
    開催日時 2025年3月15日(土)11:30~15:30
    会場 沢の鶴本社工場・沢の鶴資料館
    住所 神戸市灘区新在家南町5-1-2 MAP
    主催 沢の鶴株式会社
    お問い合わせ先 沢の鶴マーケティング室 078-881-4301(9:00~17:00)
    ※定休日:土・日曜日、祝日
    アクセス 阪神大石駅 徒歩10分

    5/17(土)白鶴 2025年春「酒蔵開放」

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    近年、国内外で増えつつあるのが「マイクロブルワリー(※1)」。

    ミニマムスケールで"SAKE"造りを行い、ユニークな"SAKE"を商品化する試みです。

    白鶴酒造でもマイクロブルワリーを活用し、杜氏と蔵人の2名が新たな"SAKE"の可能性を模索しています。

    プレミアムな日本酒の製造からスタートさせ、今後は特殊な醸造方法や470種類以上ある同社独自の酵母の中から、これまで使用していない酵母などを用いたオリジナル日本酒や、ホップやジンジャーなどを使用した日本酒以外の醸造酒の製造も予定しているのだとか。

    これらの「HAKUTSURU SAKE CRAFT」の"SAKE"は、白鶴酒造本社敷地内にある白鶴酒造資料館にて、数量限定で発売されています。

    イベント当日は、普段は非公開の工場を開放!

    今回も、前回好評だった実際に作業している様子や説明の動画を工場内に配置。

    「できるだけ多くの方に楽しんでいただきたい」と、醸造現場を自分のペースで周れる、自由見学スタイルで開催されます。

    また、普段は飲めない垂れ口のほか、若手プロジェクトの日本酒、ビール、リキュール、ノンアルの有料試飲も実施。

    売り上げは寄付されるそうです(ビール・リキュール以外)。

    地元神戸の農家さんによる野菜や"神戸米"の販売、お子さまも楽しめる屋台などもあり、ご家族でも楽しめますよ。

    ※1 白鶴では、ごく小規模の醸造所という意味で「マイクロブルワリー」という用語を使用しています。

    イベント名 白鶴 2025年春「酒蔵開放」
    開催日時 2025年5月17日(土)9:30~16:0
    会場 白鶴酒造株式会社
    住所 神戸市東灘区住吉南町4-5-5 MAP
    主催 白鶴酒造株式会社
    お問い合わせ先 白鶴酒造株式会社 お客様相談室 078-856-7190(9:00~17:00)
    ※定休日:土・日曜日、祝日
    アクセス 阪神住吉駅 徒歩7分
    HP 白鶴酒造株式会社【公式HP】
    2025年2月 6日時点での情報です。
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