誰でも、どこでも、手軽に弾けるカリンバの魅力を|おてがるカリンバ協会

誰でも、どこでも、手軽に弾けるカリンバの魅力を|おてがるカリンバ協会
目次

    おてがるカリンバ協会理事長・北村敏子さんにインタビュー

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    芸術の秋...音楽の秋...。

    鑑賞するだけでなく、自分でも演奏してみたい♪とは思うものの『楽器を習うにはお金や時間がかかるのでは?』とか『楽器をマスターするって難しそう』など音楽の入り口で二の足を踏んでいる方も多いはず。

    そんなあなたにお勧めしたいのが話題の楽器・カリンバです。

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    「カリンバの魅力は第一に手頃な値段。第二にどこへでも持ち運べる手軽なサイズ。第三に誰でも簡単に弾けて脳トレになること」 と笑顔で語るのは、おてがるカリンバ協会の理事長・北村 敏子さん。

    目下、日本でもブームを呼んでいるカリンバ、その人気の秘密や協会の活動などについてお話を伺いました。

    ―まずカリンバについて教えてくだい。

     カリンバはアフリカの民族楽器。両手で持ち、親指で弾いて音を出します。
    実際に鳴らしてみると、まるでオルゴールのように優しくて心を癒してくれる音色です。

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    ↑アフリカの民族楽器として誕生したカリンバ

     西宮市在住の民族楽器奏者に伺ったところ、もともとカリンバは人に聞かせるのではなく、自分に聞かせるためのものだったそう。

    アフリカって、土地が広大で集落同士がとても離れているでしょう。だから、独りで歩きながら寂しくなるとカリンバを弾いて、自分を慰めていたんじゃないかって。

    確かに、カリンバには他の楽器のように音を響かせるホールとかがないものもあるんです。

    あくまで自分用の楽器だから、海外まで広く普及することもなかったのだろうと、その方は仰ってました。

    ―日本で馴染みのなかったカリンバを、北村さんご自身が知ったきっかけは?

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     私の本業はアイリスとしてレンタルスペースとカルチャー教室の運営です。
    主人が持っている賃貸アパートの一室を貸し出したのがそもそもの始まり。

    習い事や学習塾、 女子会などに使ってもらえたらと気軽にスタートしたんですが、コロナ禍で公共の施設が閉鎖されていたタイミングと重なり、予想以上のニーズがありました。

    音楽関係はもとより英会話やダンス、果てはテコンドーの教室まで!いろいろなジャンルの先生が集まってコミュニティーが広がっていく中、「カリンバを教えてくれる先生はいませんか?」と問い合わせがあったんです。

    で、カリンバって何??と。早速ネットで調べて購入し、実際に演奏してみたら...これがなかなか面白い!

    私自身がハマって、音楽の得意な方と一緒に遊び気分で弾いていました(笑)。

    ―レンタルスペースを運営されていたからこその出会いだったのですね。

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     最初のうちは、ただ弾くのが楽しくて。アイリスのご利用者の皆さんに 「カリンバって知ってる?」 「オルゴールみたいな音でしょ」って紹介していたら、 皆さん興味津々で(笑)。

    ただ、その頃はカリンバ用の楽譜が全くありませんでした。

    そこで、叩くキーを数字で示したり、左右の手に合わせて表組みにしたり、試行錯誤して独自のタブ譜を作ったんです。

    それを見てもらったら、初めてカリンバを触る人でも簡単に弾くことができたんですよ。

    ―では、カリンバのタブ譜や教材は全て北村さんのオリジナルだったんですか!?

     おてがるカリンバ協会は、まさにこのタブ譜作りから始まりました。

    ある時、「このタブ譜、特許になるんじゃないですか?」と助言してくれる人が現れて。

    確かに他にはない、オリジナルのものでしたから、特許庁に申請して実用新案の登録をしました。

     タブ譜本を作る際には、少しでも多くの人にカリンバを知ってもらえたらという一心でクラウドファンディングをしました。

    それが、大手楽器店さんの目に止まって「ぜひうちでも扱わせてほしい」とオファーがきたんです。

    最初は400冊という依頼。でも、その楽器店さんは全国に170余の店舗がありますから、1店に2〜3冊でもかなりの数になりますよね。

    コロナでおうち時間が増えて楽器に興味を持つ人が多くなったというのも追い風だったんでしょう。

    昨年末には、有名なタレントさんがテレビ番組でカリンバを弾いたことで、知名度がぐんと上がったんです。

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    ↑北村さんが手がけた、おてがるカリンバの教本。

    ―メディアで取り上げられて、カリンバの名前も全国区に?

     それまで月に数十冊だったタブ譜本の注文が、年明けには100冊お願いしますって(笑)。

    近頃は動画サイトなどでカリンバを演奏する人も増えましたね。そういう背景もあって、今は全国各地からカリンバ教室を開いてほしいという要望が続々と寄せられています。

    協会としても、もっと大勢の講師を養成しなければ...と努めているところ。

    ほかにも、生涯学習の講座で教えてもらえませんかとか、デイサービスに来てもらえませんかとか、私自身、反響の大きさに驚いています。

    ―皆さんがカリンバに心惹かれる、その理由は何なのでしょう。

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     楽器に触れたことのない人や以前習ったけれど挫折した人、そういう方たちでも簡単に弾けるからではないでしょうか。

    ボランティアでお年寄りや体の不自由な方の施設へ行くのですが、自分たちで演奏するだけでなく、一人に一台ずつカリンバを渡して演奏方法を教える時間を作っています。

    すると、皆さんとても楽しそうに取り組んでくださるんです。
    カリンバの音が優しくて、聞いていて癒されるというのもありますが、高齢者から小さな子供、障害のある方、どんな人でもすぐに弾けるようになるというのは大きな魅力ですよね。

     去る8月にはたつの市で100人規模の無料コンサートを開きました。

    その際、お客さんの中から5名ほど希望者を募り、休憩中にカリンバを習ってもらい、次のステージで即興で演奏するという演出をしたんです。
    曲は 「きらきら星」だったんですが、大盛況でした。

    ―カリンバの可能性は今後ますます広がりそうですね。

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     姫路市の手柄山で発見されて新種に認定された手柄ザクラという桜をご存知ですか?

    その桜の存在を広く知ってもらうためのプロジェクトがあって、地元のシンガーソングライターの女性が 「手柄ザクラ」という曲を作り、ご自身で歌っています。

    今秋にはアクリエひめじでライブを開くそうなんですが、実は、彼女はカリンバの講師としても活動している人。

    「手柄ザクラ」はとても優しいメロディーで、カリンバの音色にもぴったりの曲だったので、カリンバ用のタブ譜を起こしました。

    今後はおてがるカリンバ協会のイベントやコンサートなどでも演奏して、手柄ザクラのピーアールと同時にカリンバのテーマ曲としても浸透していけばいいなと思っています。

    ―様々な活動をされてきた中で、印象に残っているエピソードはありますか?

    昨年5月、新聞でおてがるカリンバ協会が紹介された時には、早朝から数十件も問い合わせが来ました。

    特に多かったのが一人暮らしのお年寄り。行ける場所には、自ら教本などを携えてお届けに行きました。

    すると「一人で寂しかったけど、これで楽しみができた」 とか 「孫が来た時、弾いてみせたい」とか、皆さん大喜びで、私自身も本当に感激しました。

     ただ、その時の経験も踏まえて学んだことが一つ。一般のカリンバは17の鍵がありますが、それだとお年寄りには弾きにくいんですよね。

    そこで、鍵を減らして間隔を広めに取った9鍵のカリンバを独自に作り、9鍵用のタブ譜も制作しました。

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    ↑お年寄りにも好評の9キーのカリンバ。

    それをセットにして、敬老の日のプレゼントにどうぞ〜と宣伝したら、今度は高齢者介護向けの情報誌「レクリエ」から連絡が来て、誌上で紹介されたんです。

    反響は予想以上で、頑張って作った甲斐があったと実感しました。

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    ↑高齢者介護向けの情報誌で紹介され、大きな反響が。

    ―カリンバ愛好家として、また企業オーナーとして、今後の夢は何でしょう。

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     おてがるカリンバというネーミングには、3つの由来があります。

    1つ目は手軽に買える価格。実際、ここで売っているカリンバは一台3000円台から10000円程度、これなら皆さん安心して買えるんじゃないでしょうか。

    2つ目は手軽なサイズ。バッグにも入るから、どこへでも持ち歩けて、置き場所にも困りません。

    3つ目は手軽に弾けて脳トレになること。今後は学校の授業や妊婦さんの胎教にも役立ててもらえたら...と考えているんです。

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     社会貢献をすることは私自身の人生の目標でもあったんですが、カリンバを通じて楽しみながら実現することができました。

    いろいろな楽器とコラボしたり、各地で演奏会をしたり、カリンバの輪をもっと広げていきたいと思っています。

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    ↑コード弾き用や叩いて演奏する「マカリンバ」など独自に制作。

    ―今日はありがとうございました。

    【インタビュー・文/中村美夕紀】
    【撮影/宇夫方伸一】

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    ~PROFILE~
    北村 敏子さん
    1959年、加古川市出身。
    地元の高校を卒業後、太陽神戸銀行(現・三井住友銀行)に入行。
    出産・育児のために家庭に入るも35歳で離婚、シングルマザーとして2人の子供を育て上げる。
    54歳で今のご主人と再婚し、レンタルスペースのオーナーに。
    現在は「おてがるカリンバ協会」の理事長としても活躍中。

    団体名 おてがるカリンバ協会
    住所 姫路市手柄1-78-1-2-201MAP
    電話番号 079-280-3270
    HP おてがるカリンバ協会【公式HP】
    その他 お問い合わせ・ご予約の際は「姫路みたい」を見た。とお伝えいただくとスムーズです。
    2023年4月 3日時点での情報です。
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