【4月1日】エイプリルフールの嘘は午前まで?ルールや由来もご紹介

4月1日は「エイプリルフール」。「嘘をついてもいい日」として日本でも有名です。
エイプリルフールにもルールがありますが、その詳細をご存じですか?
由来や噂、豆知識などと合わせてご紹介します。
エイプリルフールとは?
エイプリルフール(April Fools' Day)とは、直訳すると「四月馬鹿」になります。
4月1日は嘘をついても許される日であり、家族や友人の間で楽しんでいる人も少なくありません。エイプリルフールに絡めて、おおがかりなプロモーションを行う店舗や企業もあります。
エイプリルフールは海外で生まれた風習ですが、いつ、どこで始まったのでしょうか? 由来や、日本に伝わった時期などをご説明します。
由来は?
エイプリルフールの起源には諸説ありますが、比較的有力なのはフランスとインドの説です。
かつてヨーロッパでは、3月25日を新年の始まりとし、4月1日まで春の祭りを開催していました。しかし、1564年にフランスのシャルル9世がグレゴリオ暦を取り入れ、1月1日を新年の始まりに定めました。旧暦を支持する人々はこれに反対し、4月1日を「嘘の新年」とみなし、お祭りにしてしまったといわれています。
一方、インドでは仏教徒は春分の日から3月いっぱいまで、厳しい修行をします。しかし、4月になり修業が終わると、多くの人は俗人に戻ってしまいます。こうして、4月1日は「揶揄節(やゆせつ)」と呼ばれるようになり、やがてエイプリルフールとして定着したとされています。
日本に広まったのはいつ?
そもそも江戸時代まで、日本では4月1日を「不義理の日」と呼んできました。大きな節目の日に、不義理や嘘を告白する日だったのです。
しかし、大正時代ごろから欧米の習慣が伝わり、不義理の日は四月馬鹿に代わっていきます。こうして、現代にまで継承されているエイプリルフールの形になりました。
エイプリルフールに嘘をついてもいいのは午前まで?
イギリスでは、「エイプリルフールの嘘は午前まで」というルールがあります。
1642~1649年にかけて起きた内戦「清教徒革命」。イギリスの絶対王政をたおした議会派から逃亡するときに、チャールズ2世はオークの木に隠れて難を逃れました。
その後、王政が復活。チャールズ2世がロンドンに帰還した5月29日を「ロイヤルオークデイ」として祝うようになりました。この日、イギリス国民は王への忠誠を誓って、午前中だけオークの飾りを身に着けました。
そして、飾りをつけていない人に対して、国王への忠誠心のなさをからかう風習が生まれました。しかし、これには「からかうのは午前中だけ」というルールがあり、午後にはからかったことを謝って笑い合い、翌日に持ち越さないようにしていました。
この風習の影響で、エイプリルフールも「嘘をついていいのは午前中だけ」というルールになりました。
エイプリルフールについた嘘は叶わない?
「エイプリルフールについた嘘は1年叶わない」という言い伝えがあります。
この噂に根拠はありません。嘘がエスカレートするのを防ごうと、自然に広まったジンクスである可能性もあります。
ただ、このジンクスを信じている人もたくさんいるので、信ぴょう性があるのかもしれません。
信じるか信じないかも含めて、エイプリルフールを楽しみましょう。
エイプリルフールに嘘をつくときのルール
先に説明した「エイプリルフールの嘘は午前まで」というルールはイギリスの話なので、日本では絶対ではありません。
しかし、エイプリルフールを楽しむためにも、押さえておきたいルールがあります。
人が悲しむ嘘はNG
「あなたの家族が亡くなった」「家が火事になっている」といった嘘は、エイプリルフールでも厳禁です。
一瞬でも相手を悲しい気持ちにするような嘘は止めておきましょう。
ネタ明かしをしても、心が晴れないケースが多いからです。
「逆立ちしている犬がいる」「4月なのに雪が積もった」といった、笑える嘘を考えてみましょう。
ネタ明かしは当日中に
純粋に信じたことが実は嘘で、嘘であることを何日間も黙っていられたらどうでしょうか? あまりよい気持ちはしませんよね。
嘘が真実として広まってしまい、大事になる可能性もあります。
嘘を楽しんでもらえるのはエイプリルフールの当日だけです。ネタ明かしは忘れずに、日付が変わる前に済ませるようにしましょう。
エイプリルフールが禁止の国も
中国では、政府が「エイプリルフールは自国の伝統に合わない」とみなしてきました。そのため、国民は4月1日の嘘を自粛するよう呼びかけられています。
また、インドネシアやマレーシアなどのイスラム教徒が多い国でも、エイプリルフールは禁止されてきました。嘘をつくこと自体が信仰に背く行為だからです。
エイプリルフールを笑顔で過ごそう
歴史や風習と結びつきながら、世界各地で根付いている「エイプリルフール」。
なかには「エイプリルフール」をよしとしない文化圏もあるので、注意も必要です。
ルールを守って、ついた側もつかれた側も笑顔になる嘘を考えられたら、素敵なエイプリルフールになりますよ。